「大阪の観光業」コロナ終息後に盛り上がる根拠 外国人旅行客を「5年で3倍」にした高い潜在力

東洋経済オンライン / 2020年7月18日 13時45分

わずか5年で外国人旅行客数を「3倍」に引き上げた大阪府。なぜ多くの外国人のハートをつかむことに成功したのか? その理由を徹底解説(写真:morico/PIXTA)

「都市活力ランキング第1位(世界131都市中)」「世界で最も魅力的な大都市ランキング第5位」「世界で最も住みやすい都市ランキング第4位」に選ばれた大阪。

なぜ大阪は世界中の人々から愛されるのか? その理由を日本総合研究所マクロ経済研究センター所長の石川智久氏と、朝日新聞大阪経済部長の多賀谷克彦氏による新書『大阪の逆襲』から再構成してお届けする。

現在、新型コロナの感染流行によって世界的にインバウンドはほぼ壊滅的な状況にあります。しかしながら、「大阪のインバウンド」は、その潜在力を踏まえると、コロナ終息後には再び盛り上がると考えられます。そこで、コロナ直前の状況を振り返りながら、大阪の観光業の底力と復活する理由をご説明したいと思います。

「ミナミ」の中心に位置する心斎橋筋商店街は、流行語ともなった「爆買い」で2015〜2016年頃、一世を風靡しました。2020年に入ってからも、新型コロナ禍の前までは「ここは海外か?」と見紛うばかりの訪日客で通りはあふれかえっていました。

例えば日本ブランドのシューズを扱うお店に入っても、中国語、韓国語、英語は聞こえてきますが、日本語で話す人は皆無。外国人のお客様が、言語対応できる店員さんを相手に、それぞれお目当てのシューズを熱心に検討するというのが日常の風景です。

もともと心斎橋筋はネオンサインがまぶしく、日本というより、東南アジアのような雰囲気があるのですが、アジア系の旅行者が増えて、エキゾチック感が増しています。

先日、たこ焼きを買ったところ、店員さんは筆者に中国語で話しかけてきました。大阪府を訪れた訪日客数は、2014年に376万人、それが2018年には1142万人と、5年間で3倍以上に増加しています。これは日本全体の訪日客数(3119万人)の約36%を占めるものです。また、この5年間の客数伸び率は、東京都の1.6倍(2018年1424万人)を大きく上回っています。

ちなみに現在の大阪を訪れる訪日客の国別内訳は、中国が4割、韓国が2割、台湾が1割で、この3カ国だけで全体の7割以上と、東アジア中心の構成となっています。

■外国人入国者数の推移は「右肩上がり」

しかも昨今は、ツアーガイドが旗を掲げて、ぞろぞろと団体客が移動するケースは少なくなり、何回もリピートしているような個人旅行者が増加していることは明らかです。

関西全体を捉えても、関西への外国人入国者数の推移は、2014年に対し、2018年は2.4倍とやはり右肩上がりです。とくに大阪に次いで訪問率の高い京都では、新型コロナ禍の直前まで、訪日客による「オーバーツーリズム」(想定以上の客が集まることによる悪影響)が問題ともなるくらいにまで、観光業が盛り上がっていました。

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