「児童手当」満額もらえない人の不都合な事情 同じ年収や家族構成でも支給額で3倍の差も?

東洋経済オンライン / 2020年7月22日 8時10分

子どもの将来に備えて「児童手当」を受給し、しっかり貯めていきたい。ただし、満額もらうためには、ややこしい制度上のルールを攻略する必要がある(写真:polkadot/PIXTA)

「児童手当」は、中学校卒業まで(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の子どもを育てている人に対して、主に行政(在住の自治体)から支給される手当です。子どもの教育費などを準備するうえで、30代、40代の子育て世帯にとっては「助かる制度」といえるでしょう。

筆者はファイナンシャルプランナーとして、子育て中の30代、40代の方々からご相談をたくさん受けています。でも、これはちょっと問題だと思うのは、今児童手当を受給していても「実は制度の仕組みについてはよくわからない」という人が少なくないことです。児童手当の制度をきちんと理解していないと、手当をもらえなかったり、金額が減ったりということにもなりかねません。

中でも、児童手当の「所得制限」の仕組みはややこしく、勘違いしやすいと思います。今回は、2020年現在の所得制限のルールに絞って、具体的なケースとともに説明しましょう。

■年収も家族構成も同じなのに、支給額に3倍の格差

まずは、下の2つの表を見比べてください。AさんとBさんの家族、どちらも夫が会社員で妻はパート勤務、そして2歳の子どもを育てています。ところが、毎月の児童手当の額に3倍の開きがあります。

Aさんの年収は890万円、一方でBさんは880万円で、大差がありません。年齢も、ほぼ同じ。それなのにAさんのほうが毎月1万円多く児童手当を受給しているのです。どうしてこのような違いが起こるのでしょうか?

そもそも児童手当の支給額は、3歳未満は一律1万5000円、3歳以上小学校卒業(修了)前までは1万円(第3子以降は1万5000円)、中学生は一律1万円です。ただし、所得が所得制限額以上になると、子どもの年齢に関係なく一律5000円になります。「所得制限と比較する金額」は年収とまったく異なります。年収(給与)から給与所得控除という会社員に認められた必要経費を差し引き、さらに法律で定められた8万円を差し引いて求めます。

Aさんは年収890万円ですが、所得制限と比較する額を計算すると673万円、一方で年収880万円のBさんは664万円になります。2人とも、子どもは2歳ですから、所得制限内なら児童手当は月額1万5000円です。

実際、Aさんは1万5000円をもらっています。Aさんより所得が9万円低いBさんも同じく1万5000円をもらえる、と考えてしまいそうですが、そうではありません。Bさんの児童手当の金額は5000円。Bさんのほうが、所得が低いにもかかわらず、所得制限をオ−バーしているのです。

■児童手当制度での扶養範囲は「所得38万円以下」

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