自販機オペレーター「残業代未払い」の残酷物語 休憩なしで帰宅は深夜、知られざる過重労働

東洋経済オンライン / 2020年7月27日 7時40分

自販機の商品補充や代金回収を行うオペレーターの仕事は、過重労働が当たり前になっている(編集部撮影)

「夏場は朝8時に出勤し、夜9時まで駅の自動販売機にジュースを詰める日もある。休憩はとれず、帰宅は午後10時、11時になるのが当たり前」

「人手がつねに足りず、長期の連続勤務や休日出勤が常態化している」

6月22日、自販機の商品補充や代金回収などを行っている自販機オペレーターに対し、従業員5人が未払い残業代約2400万円の支払いを求める訴訟を東京地裁に起こした。

■訴えられたコカ・コーラの取引先

訴えられたのは、物流サービス事業を展開するシグマロジスティクス(東京・品川区)とその子会社・シグマベンディングサービス(さいたま市)の2社。両社は自販機オペレーターとして、コカ・コーラボトラーズジャパンホールディングス(HD)子会社から業務を受託している。

原告らの訴えによると、時間外労働が月平均で100時間、最長で150時間程度に及んだうえ、休憩時間はまったくなかったという。

大手自販機オペレーターが残業代未払い訴訟で訴えられるのは今回が初めてとなる。シグマロジスティクスとシグマベンディングサービスは東洋経済の取材に対し、「何もお答えできない。残業代未払いなどの事実はない」と述べた。

子会社を通じてオペレーター業務を委託しているコカ・コーラボトラーズジャパンHDは今回の件を通じて初めて事態を把握したと言い、「子会社に対して委託先会社での長時間労働など、労働環境の是正を求めている」(同社広報)としている。

なお、今回訴えられたシグマロジスティクスは2020年3月、長時間労働・残業代不払いなどの労働基準法違反で大田労働基準監督署から是正勧告を受けていた。

具体的には、労使協定で定めた上限時間以上の残業や残業代の未払い、1日1時間の法定休憩時間を与えていないなどの法律違反が4項目にのぼった。確認された最長の残業時間は月200時間もあった。

個人加盟の労働組合「自販機産業ユニオン」(総合サポートユニオンの支部)を通じて6月29日に開かれた記者会見では、原告5人は劣悪な労働環境の実情を次々と訴えた。

■1日ですべての巡回は不可能

「会社は毎日、平均20数台の自販機訪問を指示する。1台1台に商品を運搬するのは繁忙期でなくともかなりの労力」

「(会社に指示されて)30~40台を毎日巡回しないといけない時期があったが、1日ですべて回ることは不可能だった。商品が売り切れる自販機が出たり、自販機横に設置した容器の回収箱から空き缶があふれたりするなど、お客にも迷惑をかけた」

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