安倍首相、「1カ月半ぶり会見」で狙う反転攻勢 G7、党・内閣人事前に8月原爆忌で記者会見へ

東洋経済オンライン / 2020年7月29日 7時55分

7月24日、首相官邸で報道陣の取材に応じる安倍晋三首相(写真:時事)

新型コロナ第2波襲来への不安が強まる中、安倍晋三首相が「魔の8月に怯えている」(自民長老)との見方が政界に広がっている。

各方面からの反対論を押し切り、政府はGoToトラベル事業を7月下旬に見切り発車させた。この政府主導の観光旅行奨励がコロナの感染拡大につながったのか、8月上旬に判明するからだ。

仮に全国的な感染再拡大につながったことが裏づけられれば、経済優先で事業の前倒し実施を決断した安倍首相の政治責任は免れず、「政局秋の陣を前に、政権危機が加速する」(閣僚経験者)ことも避けられない。

■原爆忌式典で1カ月半ぶりの会見?

野党側は「感染拡大なら総辞職もの」(立憲民主幹部)と、安倍首相を糾弾すべく手ぐすねを引いている。6月に国会が閉幕してから記者会見を行わず、国会での閉会中審査にも出席しない安倍首相に対し、「巣ごもりによる逃げ恥作戦」などと揶揄してきた経緯もあり、安倍首相の明確な説明を求める声が強まるのは間違いない。

そうした中、安倍首相は例年通り、8月6日に広島、同9日に長崎で開催される原爆忌式典への出席が見込まれている。それぞれ現地で会見するのが慣例で、それまでに官邸などでの公式会見がなければ、約1カ月半ぶりの会見となる見通しだ。

8月に入っても感染拡大が続いていれば、お盆期間中のGoToトラベル事業見直しや、感染拡大阻止のための地域指定の緊急事態再宣言の必要性もテーマとなり、安倍首相自身の見解も当然求められる。これまでの会見のように「専門家の判断」などを隠れ蓑にすれば、「トップリーダーとして失格」との批判も免れない。

安倍首相が最後に記者会見したのは国会閉幕翌日の6月18日。当時は感染第2波の兆候もなく、「真夏になれば収束」との淡い期待もあった。しかし、7月に入るころから東京で感染が再拡大し、GoToトラベルの東京除外を決断した同16日の東京の感染者数は、過去最多となる286人を記録。同23日には366人まで急増し、国民の恐怖感をかき立てた。

このため、旅行客を迎える観光地に不安が広がり、対象外とされた東京都の小池百合子知事だけでなく、大阪府の吉村洋文知事からも開始時期の見直しや地域限定での緊急事態再宣言などの注文が相次いだ。

■感染防止より観光業救済を優先

その一方で、安倍首相や事業の推進役となった菅義偉官房長官は、「ここでやめたら事業そのものができなくなる」(政府筋)との焦りから、感染防止より観光業救済による経済回復を優先したのが実態だ。

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