コロナ2波で「株・ドル暴落、金暴騰」は起きるか 「バブル崩壊」や「金融危機」に過敏な人の論理

東洋経済オンライン / 2020年8月3日 8時0分

こうした幅広い市場に蔓延したパニックと比べれば、4月の雇用統計では、「なるほど、アメリカの雇用情勢は著しく悪い。だが、何もわからずパニックに陥ったものの、具体的に数値でどの程度雇用が悪化しているのかが、きちんと把握できた」と投資家が落ち着き、株価が戻り歩調をたどったと解釈できる。

その後は、その「延長戦」が続いているだけだ。つまり「4~6月期のマクロ経済統計や企業収益が悪い」というのは、3月までのパニック的な株価下落で過剰に反映されている。今さら発表数値が悪いからと言って、株式市況全般の買い材料にはもちろんならないが、特にネガティブサプライズでもない、ということなのだろう。

■市場はもっと細かく、さらに先を見ている

直近のマクロ統計では、7月30日(木)に、アメリカの4~6月期の実質経済成長率が「前期比年率で32.9%減もの不振」だと発表された。だが、エコノミストたちは既に月次統計などから事前に34.5%減と予想しており(エコノミスト予想の平均値)、結果はそれに近い数値で、別にその日のアメリカ株価が暴落したわけではない。

こうした「4~6月は悪い、4~6月は悪い」といった念仏は、市場は賢く聞き流して、もっと細かく、加えてさらに先を見て、判断している。「細かく」というのは、四半期の動向のみならず、月次の動向もしっかり押さえている、ということだ。

アメリカの月次経済統計は、鉱工業生産、小売売上高、住宅着工等々、幅広い統計で4月が最悪であり、5月、6月と回復を見せている。日本のマクロ月次統計は、心理を測るデータ(ソフトデータ)は、景気ウォッチャー指数、消費者態度指数ともに、4月が底で、5、6月とやはり持ち直している。

一方、日本のハードデータ(実際の経済活動を推し量るデータ)は、アメリカより遅れて、4月より5月の方が悪い、といったものが、ほとんどだ。

しかし、7月31日(金)に発表された6月分のデータをみると、失業率は4月の2.6%から5月は2.9%の近年の最悪記録となったあと、6月は2.8%に低下(改善)、鉱工業生産は5月が前月比で8.9%減少した後、6月は2.7%増と盛り返している。

ちなみに、製造工業生産予測指数によれば、製造業企業は、7月は前月比11.3%増、8月も3.4%増と、生産回復が引き続くと見込まれている。このように、市場は月々の明るい動きを踏まえているのだろう。

■市場の関心事は「過去」よりも「その先」へ

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