BMWが「4シリーズ」のグリルを巨大化した事情 日欧では賛否両論でも世界的には歓迎か?
東洋経済オンライン / 2020年8月6日 10時0分
今年上半期に発表された新型車の中でも、特にデザインに関する賛否両論が巻き起こった1台がBMW「4シリーズクーペ」だ。1933年以来、このブランドの自動車がフロントマスク中央に掲げてきたキドニー(腎臓)グリルが巨大化したからである。
伏線はあった。最上級セダン「7シリーズ」は昨年のマイナーチェンジで、キドニーグリルの面積を約40%拡大したと、具体的な数字まで出して大きさを誇示していたし、同時に発表した最上級SUVの「X7」は、SUVらしい屈強な印象を際立たせるためにキドニーグリルを縦に伸ばしてきた。
しかし、この2車種はBMWにとってのフラッグシップだ。存在感を強調すべくグリルを大きくするのも、理解できる。ところが4シリーズクーペは、名前が示すとおりクーペであり、低く流れるようなプロポーションを持つにもかかわらず、大きなキドニーグリルを掲げてきた。
新型4シリーズはまず、2019年のフランクフルト・モーターショーでコンセプトカー扱いの「コンセプト4」として世界初公開された。このときすでにグリルは大きかった。
発表予定の新型車に軽めのカスタムを施して、コンセプトカーとしてお披露目する例は多い。事前に公開することで反響を見るためで、その結果デザインが見直される車種もある。しかし、BMWはコンセプト4のデザインに否定的な意見があったにもかかわらず、そのまま市販化した。ただし、批判も予想していたはずで、プレスリリースではドイツらしく理論武装を重ねて自らの正当性を主張している。
■過去の名車にあやかった「縦長のキドニーグリル」
記事の執筆にあたり参考にした日本語版プレスリリースは39ページにも及ぶが、そのうち5ページにわたりクーペの歴史を解説している。一昨年の3シリーズの本国発表時の日本語版リリースは29ページで、歴史の項は半ページにも満たなかった。
ここですべてを紹介することはできないが、新型4シリーズのプレスリリースには、過去のいくつもの名車が取り上げられた。
イタリアの公道レース「ミッレミリア」を制した第2次世界大戦前の代表作「328」のクーペ版、イタリアのベルトーネがデザインし、BMWクーペの基本形を確立した「3200CSクーぺ」、欧州ツーリングカー選手権で6度のタイトルを獲得した「3.0CSL」、世界一美しいクーペと言われた初代「6シリーズ」などだ。
記述の中には「縦長のキドニーグリル」という言葉が何度も出てくる。たしかに現在のキドニーグリルは横長で、3.0CSLや初代6シリーズの時代は縦長だった。その頃のクーペのイメージを蘇らせたというのがBMWの主張だ。
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