新型コロナ、「2週間後」予測はなぜハズレるのか 高橋泰教授「データに合う新型コロナ観を持て」

東洋経済オンライン / 2020年8月7日 8時20分

一方、多くの国民やマスコミが現在抱いている新型コロナ観をBとする。これは、新型コロナは恐怖のウイルスであり、非常に毒性は強く、かかると重篤化して死亡する可能性が高い。感染することはまれで、これまで非常に限られた人しか感染していない。だからかかると大変なことになる。

しかし、そのような病気でないことはすでにわかってきている。

■コロナ観Aのほうが実態に合っている

――GoToキャンペーンの影響をコロナ観Aとコロナ観Bで予測するとどのような違いが出ますか。

コロナ観Aに基づく私の「感染7段階モデル」の予想では、GoToキャンペーン前に国民の3分の1の4000万人がすでに暴露し、このうちの400万~800万人は、仮にその人が暴露した翌日にPCR検査を行えば陽性になっていると考えていた。

さらに、GoToの影響を7段階モデルに当てはめ、以下のように予測していた。

地方を中心に最高2000万人程度が新たに暴露、その中の100万~200万人がPCRを行なえば陽性になる。ただしそのほとんどが無症状か軽症だ。一方、暴露者の2%相当の40万~80万人程度が長期の発熱や倦怠感などのはっきりした症状が出て、その中の一部が医療機関を受診し、PCR検査を実際に受けて陽性となる。また、PCR陽性者の周辺の無症状感染者も濃厚接触者としてPCR検査を受けることになり、大量のPCR陽性者が発見されるが、これも氷山の一角だ。また2000万人の中から600人の重症者が現れ、最大で200人が亡くなる可能性がある。

一方、コロナ観Bの人の立場で予測すると、PCR陽性者は感染者であって、これまでの感染者2万人がGoToによって急増する。このキャンペーンで感染者が地方に拡大し、そのうちの数%の数十万人レベルが重症化、数万人レベルの死亡者が出る、という予想になる。

現実はどうか。冒頭のグラフに見るように、目の前のデータから見える現在の新型コロナウィルス感染のファクトは、コロナ観Aに近づいているように思う。7月22日のGoToキャンペーン初日から2週間が過ぎたが、一向に重症者や死亡者が増えていかない。今後若干増えたとしても、コロナ観Aで予測される200人をも大きく下回る可能性のほうが高いように見える。

「新型コロナウィルスは弱毒化したのか?」という指摘が、一部のマスコミに出ているが、私の研究チームは、新型コロナはもともと弱毒であり、大きく変化したとは考えていない。

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