日本史の「新テスト」で問われる"思考力"の正体 大学入学共通テストの押さえるべきツボ

東洋経済オンライン / 2020年8月11日 10時0分

「思考力」がキーワードとなる2022年から実施する「大学入学共通テスト」。日本史の思考力を養う方法を、具体的な問題とあわせ解説します(写真:ふじよ/PIXTA)

新たに導入される「大学入学共通テスト」では“思考力”がキーワードとなり、新傾向の設問が作られるといいます。ですが、具体的に“思考力”を問う問題とはどのようなもので、その思考力をどう養えばいいのでしょうか? 『大学入学共通テスト 日本史Bが1冊でしっかりわかる本〔原始~中世編〕』などの著書を持つ、駿台予備学校講師の塚原哲也氏に解説してもらいました。

■思考力・判断力等を試す問題が並ぶ

「大学入学共通テスト」については、2017年と2018年に試行調査(プレテスト)が実施されました。その出題内容とそれについて大学入試センターが発表した資料を見る限り、共通テストは新しい学習指導要領(2022年度から実施)を先取りして出題されると予想されます。つまり、思考力・判断力等を試す問題が並ぶはずです。具体的には、

・歴史用語を覚えているかどうかではなく、歴史用語にまつわる知識、つまり内容や背景、特徴が理解できているかどうか
・時代・時期や事件・出来事を多角的に、あるいは、多面的に理解できているかどうか
・設問文での設定や資料から読み取れる情報と習得している知識とを関連づけて考察することができるかどうか

こうした学力が試されると予想されます。試行調査(プレテスト)の出題を取り上げながら、具体的に見ていきましょう。

次の問題を見てください。2018年解答番号7です。

資料(写真と地図)が用いられていますが、情報の読み取りは求められておらず、用語を正しく理解できているかどうかを問うたものです。

まず、官道(七道)と駅家が中央と地方とを結ぶ公的な情報伝達を目的として整備されたとの知識を使えば、bが適当な説明文だとわかります。次に、地図とYには「条里制」という用語が記されており、条里制が土地を区画して管理するためのシステムだとの知識を活用すれば、dが適当な説明文であることが判断できます(正解④)。

見かけは異なりますが、問うている内容はセンター試験の延長線上にあります。

■時代・時期ごとの特徴を理解できているか?

次は、2018年解答番号31です。

まず注目したいのは、すべて正しい文章が選択肢として並んでいる点です。すべて正しい文章のなかから、まず、設問で設定された時代・時期にあう適当なものをピックアップさせようとしています。言い換えれば、時代・時期ごとの特徴を理解できているかどうかを問うているのです。

Bさんの発表は「大正から昭和初期」が対象なのに対し、①は1880年代半ば、学校令が定められ、小学校を対象として義務教育が制度化された時代についての説明であり、②は「啓蒙思想」から明六社を思い浮かべることができれば1870年代についての説明だとわかります。一方、③「洋装やカレーライスなどの洋風生活が普及」、④「高等教育機関が拡充」(例えば大学令の発布を思い浮かべる)は大正〜昭和初期の説明文として適当です。

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