PTAの「人やお金の動かし方」に猜疑心が募る訳 アゴ足つきの宴会、保険PR、割り当ては適切か

東洋経済オンライン / 2020年8月14日 7時5分

関係者によると、このDVDの配布が始まったのは、昨年1月から。当時の会長で、昨年のさいたま市議選にも出馬した青羽章仁氏(現・同会顧問)が「ご紹介いただく教頭先生にできるだけご負担をおかけしないように制度説明のDVDを作成いたしました」などとして、「お時間がない場合は会長挨拶部分のみを再生ください」と求める依頼文が同封されていた。

■保険料収入は前年度から1割以上増えた

この効果もあったのか、2019年度の同保険の保険料収入は、前年度比12.2%も増え、約1億1405万円になった。2015年度の約7994万円と比べると4割以上も拡大している。

ここには、運営費用として「制度維持費」が含まれているが、2019年度にこれが1契約100円から200円と倍増した。1万5000件を超える契約があるため、2019年度の制度維持費は前年の約168万円から同313万円に増えた。

保険会社はそれとは別に、「事務手数料」を払う。保険料収入に比例して増えており、2015年度の約437万円から2019年度には約598万円になった。保険会社によるとこれは団体保険の窓口に一般的に支払われる「集金事務費」で、集めた保険料の5%が支払われているという。

こうした保険事業のあり方を批判してさいたま市PTA協議会を退会した小学校PTAがある。さいたま市立浦和別所小学校のPTA(澤口博会長)は今年5月、書面で開いた総会で保護者と教職員874人が投票し、会長委任を含めた91%の賛成でさいたま市PTA協議会からの退会を決議した。

澤口会長は「保険はPTAの本来の目的とは関係ないし、特定の保険会社の商品を扱う理由もわからない。事務局員の給料、通勤手当、備品費、消耗品費などの4割を保険口座から出すが、実際に保険のために何をしているのかがわからない。PTAをビジネスに利用するべきではない」と批判する。

■多くのPTA関係者が批判する「動員」

澤口会長が批判するのはこうした資金の流れだけではない。多くのPTA関係者が批判する「動員」もなくすべきだと指摘する。2007年度に埼玉県戸田市の中学校でPTA会長を務めた板垣友子さんは「自治体や教育委員会からも、保護者も参加したという実績作りのためか、さまざまな会議や講演会に各校何人という形で出席の要請がある。予算消化のためのようなものもあり、PTA会長会でやめるよう求めたが聞いてくれなかった」と話す。

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