キヤノン、初の赤字が迫る御手洗氏「次の一手」 屋台骨支えるデジカメとオフィスが不振に

東洋経済オンライン / 2020年8月14日 7時0分

優良企業の代名詞だったキヤノンがついに赤字を計上した(撮影:尾形文繁)

優良企業の代名詞だったキヤノンが苦境に陥っている。

7月28日に発表した2020年4〜6月期の連結最終損益は88億円の赤字に転落。新型コロナウイルスの影響で主力のオフィス機器・デジタルカメラは大きな打撃を受け、四半期ベースで初めての赤字に沈んだ。

2020年12月期通期でも、売上高は前期比14.3%減の3兆800億円、営業利益は同74.2%減の450億円に落ち込む見通しだ。今後の業績回復は容易ではない。

配当予想は「未定」としたが、6月末の中間配当は前期比半減の40円減にすると発表。高配当銘柄として知られるキヤノンが実に1987年以来の33年ぶりの減配に踏み込んだ。

■広がる「キヤノンショック」

翌29日はキヤノン株が大きく売られ、終値は前日比13%安の1797.5円と大幅安となった。御手洗冨士夫会長兼CEOはかねて投資家向け説明会などで「減配はしない」と強調しており、市場関係者の間で「キヤノンショック」が広がっている。

【2020年8月14日14時40分追記】初出時の御手洗氏の肩書きを修正いたします。

「複合機とデジカメはこの数年、想定以上に売り上げが減少した。しかし、コロナでさらに落ち込んだ」。キヤノンのある幹部はそう言って肩を落とす。

デジカメメーカーとして知られるキヤノンだが、主力事業は売り上げの4割強を占めるプリンターや複合機などのオフィス事業だ。

もともとペーパーレス化の流れがあった中で、新型コロナウイルスの感染が拡大。在宅勤務の拡大に伴ってオフィスでの印刷需要が激減し、利益率の高い消耗品の販売も減少した。2020年4~6月期のオフィス事業の売上高は、前年同期比3割減の3075億円、営業損益は9億円の赤字(前年同期は404億円の黒字)に転落した。

キヤノンは、競合他社と同じくプリントボリュームに応じて課金する従来のビジネスモデルから、文章データ管理やセキュリティー保護などのITサービスを提供して稼ぐビジネスモデルに転換しようとしてきた。在宅勤務が拡大すれば、ITサービスの需要も高まるためだ。

一方、国内でキヤノン製品の販売を担うキヤノンマーケティングジャパンは、プリントボリュームの減少をオフィスでのITサービス事業の拡大により補い、2020年4~6月期に54億円の黒字を確保した。競合であるリコーも、オフィス事業全体では2020年4~6月期に41億円の赤字だったが、ITサービス単体では38億円の黒字を計上した。

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