「面白半分」では済まない鉄道妨害の大きな代償 単なる「いたずら」のつもりでも重大事案に発展

東洋経済オンライン / 2020年8月26日 7時15分

茨城県の常総市役所への爆破予告メールを受け、近くを走る関東鉄道常総線が一時運転を見合わせる騒動があった(写真:みやたん/PIXTA)

軽犯罪法という法律があることを知っている人は多いだろう。いわゆる微罪を処罰する法律で、刑罰としては科料(刑法第17条・1000円以上1万円未満を支払わなければならない罰)や拘留(刑法第16条・1日以上30日未満拘束される罰)となっている。

同法第1条第31号では、「他人の業務に対して悪戯などでこれを妨害した者」は軽犯罪法違反に当たるとされている。

「悪戯」といえば、鉄道に対して妨害をすることを「いたずら」と表現されることがよくある。鉄道事業者の安全報告書を見ても、「いたずらと思われる置石」「いたずらと思われる特殊信号発光機の点灯」「いたずらによる輸送障害」など、「いたずら」という言葉が出てくることがある。

■“いたずら”で済まされない

しかし、これらの行為は決して「いたずら」で片付けられるべきものではなく、微罪を処罰する軽犯罪法でとどまるようなものではない。典型的な行為を通じてその重大さを指摘したい。

海外の鉄道と異なり、日本ではさすがに車両に落書きが大書されているケースはあまりないが、車両の隅や駅舎の壁、駅名標などに落書きがされているケースがある。

この場合には、まず器物損壊罪が該当する可能性がある(刑法第261条・3年以下の懲役または30万円以下の罰金または科料)。器物損壊というと物理的に物を壊した場合を思い浮かべると思うが、それだけではなく、物の効用や機能に支障を与えることも含む。

そのため、建物の窓ガラスいっぱいに張り紙をした行為が器物損壊とされた事件もある。列車や駅名標、時刻表などに落書きをして、それらの機能に支障を与えたりすると器物損壊罪に該当する可能性がある。

また、器物損壊罪に当たらない程度に車両に落書きや張り紙をする場合でも、たとえば「故障」などという紙を貼って職員を混乱させれば、偽計業務妨害罪(刑法第233条・3年以下の懲役または50万円以下の罰金)が成立することも考えられる。

これに関して、その昔、下津井電鉄(岡山県・現廃止)や津軽鉄道(青森県)で、落書き列車が走ったことがあった。また、国鉄広尾線(北海道)の幸福駅では訪れた人の定期券などで駅舎内の壁が埋め尽くされたことがあった。これはされる側が公認(黙認)をしていたので、もちろん問題はない(むしろ落書きや貼り紙で車両や駅舎の価値が上がった)。

次は置き石の例を見ていきたい。線路への置き石は古典的に過ぎると思っていたが、意外と現代においても行われるいたずら、いや、犯罪である。石どころではないものが線路に置かれたりすることもある。

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