コロナ後に「Uターン」した女性が受けた仕打ち 地域の人たちに疑いの目で見られるストレス

東洋経済オンライン / 2020年8月28日 7時30分

コロナ禍でUターンして母親と暮らし始めたものの、都心とは異なる地方独特の空気感にストレスにさらされることに(写真:kotoru/PIXTA)

コロナの影響で生活環境がガラッと変わり、私のクライアントさんの中にはこれを機に都心を離れ地方の親元へUターンしたという方も何人かいらっしゃいます。

朱里さん(仮名、32歳)もその1人です。

今年3月下旬からリモートワークが本格化し、一人暮らしをする母親を心配してUターンを決意。現在では63歳の母親と実家で2人暮らしをしながら仕事を続けています。

朱里さんは常々「女手一人で私たち姉妹を育て上げてくれた母にはもう苦労させたくない。恩返しをしたい」と話しており、これまでもずっと毎月少しずつ仕送りをしたり、月に1度は帰省して実家の掃除、病院の付き添いなどを行っていました。

■親の期待に応えられない自分に自己嫌悪

朱里さんから久々にご連絡をいただいたのは、Uターンからちょうど2カ月が過ぎた頃でした。

この日はオンラインでのカウンセリングでしたが、画面の向こうの朱里さんの表情は暗く、こちらのPCのボリュームを最大にしないと聞き取りにくいほど力のない弱々しい声でした。

「実は先日、4歳年下の妹がコロナ禍出産したんです。妹は去年結婚して実家から車で30分ほどのところに住んでいるので、母は毎日自分で運転して妹のところへ通っている状況です。

はじめは私もうれしくて母と一緒に甥っ子の顔を見に行くのが楽しみだったのですが、 日を追うごとに母が私に対してイライラする態度を取るようになってきたんです。そのうちに、“どうして妹に先を越されているんだ”って言われるようになってきて、妹のところから帰ってきて私の顔を見ると母がため息をつくんです……」

なるほど。とくに地方ではよく聞くお話です。

朱里さんは母親からの態度に、“親の期待に応えられていない。自分は長女として失格だ”と日に日に焦燥感と自己嫌悪を強めるようになっていったと言います。

朱里さんは、何かあるといつでも誰かのせいにするのではなく、すべて自分の中に閉じ込めてしまう繊細さんタイプです。“長女としてこうしなくては”と責任を感じやすい方ですので、精神的にとてもつらい状況です。さらに追い打ちをかけるように、地元の同級生の結婚ラッシュが重なり、強迫観念すら感じるようになってきました。

地方から上京して都心で仕事をしていると、晩婚や高齢出産が当たり前になってきている昨今、仕事が好きな女性はキャリアアップを最優先で、家庭を持つというのは後回し。家庭とキャリアアップの両立がまだまだ厳しい日本では、どうしてもどちらかを選ばなければならない、忙しくて恋愛をしているヒマがない、なんて会話も日常茶飯事です。

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