消費減税はポスト安倍の政策課題になりうるか 減税は安倍政権の成果を否定することになる

東洋経済オンライン / 2020年9月1日 7時10分

安倍晋三首相の辞意表明をきっかけに、「ポスト安倍」をめぐる動きが加速している(写真:ロイター/アフロ)

安倍晋三首相は8月28日、持病の悪化を理由に突如辞意を表明した。安倍首相の連続在任日数が最長を記録した直後のことだった。同時に、安倍首相の後任を選出する自民党総裁選挙に向け、「ポスト安倍」がにわかに動き出した。

辞意表明が予期できない形であったこともあり、ポスト安倍候補は、綿密な次期政権構想を固めきれていない状態だろう。そのため、次期政権がどのような経済政策を講じるのか。高い確度で見通すことは容易ではない。

■社会保障はおろそかにできない

次期政権がまず直面する最重要課題は、新型コロナウイルス対策である。次期首相は、まさに危機対応能力が問われることになる。ただ、コロナ対応が長きにわたることはない。感染収束の時期は予断を許さず、平時の対応は残るかもしれないが、危機的な状況は早晩収まるだろう。

コロナ後を見据えれば、まずはコロナの影響を受けた経済的打撃にどう対処するか、すなわち景気対策が最優先とする見方もあろう。しかし、社会保障、とりわけ医療、介護、年金は、景況がどうであれ、国民の日常生活に大きく影響を与えるものだ。景気が悪くても、社会保障をおろそかにはできない。

加えてコロナ後は、感染拡大を恐れて経済活動を制限していた状態からコロナ前の経済活動の水準に戻ってゆく過程に入る。元の経済活動の水準にいつ戻るかは予断を許さないが、コロナ後は景気回復期に移行する。景気回復期に入るのだから、ポスト安倍が景気対策に力を入れるといっても、それが次期政権の最重要課題であり続けることはない。

2022年から団塊世代は75歳以上になり始め、2025年には全員が75歳以上になる。1人当たり医療費や介護費がこれまで以上に多くかかるようになる時期に、政権を担当することが予想される次期政権にとって、社会保障こそが経済政策において最重要課題の1つとなる。

だが、ポスト安倍が今の安倍政権と同じ社会保障のスタンスを取り続けるなら、無難なように聞こえるが、それでは失格である。第2次安倍内閣以降、消費税率を10%にするまで、社会保障・税一体改革が推進されてきた。一体改革では、消費税の増税財源を活用して社会保障の充実(後に教育無償化も加わる)を進めてきた。

ちなみに、消費税は社会保障財源になっていないなどというのは、揚げ足取りの極みである。毎年度国会で議決される予算書で、その消費税収は、社会保障4経費(子ども子育て、年金、医療、介護)に充当することが規定されている。国権の最高機関の議決でそのように規定している以上、消費税の増税財源の正統な使途は社会保障4経費である。

■グランドデザインなき社会保障改革

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