日本の対韓世論の変化に無知な文在寅政権 安倍辞任で「対日姿勢を柔軟にすべき」との声も

東洋経済オンライン / 2020年9月2日 8時0分

2019年のG20大阪サミットであいさつを交わした後の安倍・文両首脳(写真:共同通信)

安倍晋三首相の突然の辞任表明は、韓国でも驚きをもって受け止められた。日韓間には、元従軍慰安婦や徴用工などの歴史問題から、韓国艦艇による自衛隊機レーダー誤照射やGSOMIA(軍事情報包括保護協定)といった安保問題、そして輸出管理の規制強化という経済問題など、さまざまな未解決の問題がある。これらの諸問題が解決できない理由はどこにあるのか。

在韓40年、朝鮮半島問題では日本を代表するジャーナリストであり、このほど『反日vs. 反韓 対立激化の深層』(角川新書)を出版した黒田勝弘・産経新聞ソウル駐在客員論説委員は、日本の韓国に対する意識の大きな変化と、韓国の変わろうとしない「歴史まみれの被害者意識」を軸に日韓関係の深層を読み解く

――安倍首相の辞任表明を、韓国の政権、世論はどのように受け止めていますか。

韓国の世論は、これまでメディアを先頭に右傾化、過去の美化、韓国イジメなどといって安倍首相への非難、罵倒を続けてきた。それゆえ、辞任に関しては、歓迎の雰囲気だ。一方で安倍時代の日本については、日米関係強化やアベノミクスによる経済の復活といった印象が持たれているので“強敵去る”の感もある。

■安倍首相の辞任表明を歓迎する韓国

――日韓関係は歴史問題だけでなく、安保、経済分野に至るまで、ことごとく悪化してしまいました。

韓国では昨年の“経済制裁”が印象的であることから、日韓関係がここまでこじれてしまったことについて、「アベのせい」と考えている人が多い。ただ、左翼特有の、現実より理念重視の文在寅政権のかたくなな姿勢にも批判がある。とりあえず、安倍が辞めれば何か変化があるのではというところだろうか。メディアなど世論の一部には対日関係の長期悪化には苛立ちというか落ち着かない心理もあり、関係改善への漠然とした期待感も持たれている。

――日本の立場からすれば、日韓関係の悪化は安倍首相のせいだけではありませんね。

韓国には、ジコチュウ(自己中)的で自己批判や自己省察が苦手な人が少なくない。特に日本に対しては確固不動たる加害・被害史観があるので、自分たちが悪いことをしているなどとはまったく思っていない。日韓関係がこじれた原因として、韓国の対日姿勢として繰り返される執拗な反日現象と、それによってもたらされた日本の対韓世論の変化、つまり反韓・嫌韓感情があるのだが、多くの人たちがその実情に気づいていない。このすれ違いは深刻だ。

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