「貯金の多い・少ない市町村」全国ランキング400 コロナで表面化した自治体の対応能力の差

東洋経済オンライン / 2020年9月10日 7時35分

「貯金の多い市」トップ10

「全区民に一律12万円」――。全国的に注目を集めた東京都千代田区の独自給付金が区議会で可決された。その財源は主に区の「財政調整基金」を取り崩して充てるとされている。

新型コロナウイルスに関連して「財政調整基金」という言葉を見聞きする機会が増えている。東京都はすでに1兆4000億円を超える新型コロナ対策費を投じているが、そのうち8000億円以上は財政調整基金を取り崩すことで捻出された。

■財政調整基金とは何か

財政調整基金とは、年度間の財源の不均衡を調整するための積立金だ。自治体は黒字となった年度に決算剰余金を積み立てておき、景気の悪化や災害などで赤字となった年度に取り崩して財源とする。

いざという事態に備えた「自治体の貯金」といえるが、コロナ禍以前、2018年度末時点の財政調整基金残高は東京都のおよそ8400億円に対して、やはり多くの感染者が発生している大阪府は1500億円、神奈川県は590億円、千葉県は460億円と、自治体によって開きが大きい。

この貯金の差が新型コロナ対策において、休業補償の水準や範囲、支給のタイミング、検査実施件数の違いや検査に対する補助の有無などとなって表面化している。

東洋経済『都市データパック』編集部では、2018年度末時点の全国市町村の標準財政規模に対する財政調整基金の比率を調査。「市」と「町村」に分けて、「貯金の多さ・少なさ」をランキング化した。

財政調整基金の積立額が多いほど、突発的な不測の事態に対して、十分かつ迅速な対処ができる。しかし、財政調整基金の元をたどれば、住民が支払った税金だ。過度な積み増しは好ましくなく、自治体の一般財源の標準的な規模を示す「標準財政規模」のおおむね10%が目安とされている。

総務省が全国の自治体に対して行った「地方公共団体の基金の積立状況等に関する調査」でも、財政調整基金の規模の考え方は次のような結果になっている。

「決算状況を踏まえ、可能な範囲での積立て」とする市町村が76%と最も多い。次いで「標準財政規模の一定割合」とする市町村が22%となっている(市町村には一部事務組合を含まず、回答は複数選択可)。

また、「標準財政規模の一定割合」として回答した市町村の具体的な積立水準は、「5%超10%以下」が39%で最も多く、次いで「10%超20%以下」が38%となっている。

このことから、実務上も多くの自治体が決算状況を前提として、標準財政規模に対して5%から20%の範囲内の財政調整基金の積み立てを目標としていることがうかがえる。

■"貯金"が最も多いのは気仙沼市

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