大戸屋のメニューがガラリと変わる必然の未来 コロワイドの敵対的買収で経営方針を転換へ

東洋経済オンライン / 2020年9月12日 17時30分

今の大戸屋を気に行っている常連客はどう反応するでしょうか?(撮影:尾形 文繁)

日本の外食産業では珍しい敵対的買収が成立しました。9月9日に外食大手のコロワイドが定食チェーン「大戸屋ホールディングス」の46.77%の株式を獲得してTOB(株式公開買い付け)が成立し、子会社化が実現する見込みになったのです。

コロワイドはもともと大戸屋ホールディングスの株式19%余りを持つ筆頭株主でしたが、子会社化を目指して株式を買い増し。大戸屋側は子会社化に反対していました。

株式の過半を押さえなくても大戸屋ホールディングスを連結子会社にできるのは、コロワイドが役員の派遣などによって実質的な支配が可能となるIFRS(国際会計基準)を採用しているからです。

コロワイドはもともと居酒屋の甘太郎から始まった外食チェーンですが、2000年代に入り不振の外食企業をM&Aする手法で急速に成長しました。現在では焼肉の牛角、回転寿司のかっぱ寿司、ステーキのステーキ宮、しゃぶしゃぶの温野菜、ファストフードのフレッシュネスバーガーなどの業態を傘下に構えています。

大戸屋はここ数年、業績が停滞気味の状態が続いていたのですが、2019年度に急速に赤字転落します。さらに2020年度に入って新型コロナの影響で既存店売上高が4~7月で35%も減少してしまいました。

現経営陣の戦略を選ぶのか、新株主が提案する新戦略を選ぶのか、今回の敵対的TOBはまさにその点を争ったわけですが、結果としては新株主の勝利に終わったことになります。そこで株主や私のような大戸屋の常連客にとっては「これで大戸屋はどう変わるのか?」が次の関心事になるわけです。

■大戸屋の未来を占う3つの論点

大戸屋はよくなるのでしょうか。3つの論点を提示したうえで、大戸屋の未来を予言してみましょう。

1. 顧客は現経営陣を支持していた
2. 大戸屋の市場は縮小基調だった
3. 新株主の提案は大戸屋の商品をがらりと変えそうだ

順を追って説明していきましょう。

1. 顧客は現経営陣を支持していた

大戸屋の既存店売上高が対前年同月比でマイナス基調となったのは2015年度の上期からです。半期毎の月次報告を見ていくとわかるのですが、それ以降、直近に至るまで不振が続いています。

ただ、その減少傾向には他の飲食チェーンには見られない、ある変わった特徴があるのです。それはこの減少期間、ほぼ一貫して顧客数が減少している一方で客単価は増加しているのです。2015年度以降の約5年半で例外は2017年度の下期に客単価がマイナス0.2%下がったのと、新型コロナで直近の2020年度上期がマイナス1.6%客単価を下げているだけで、それ以外の期では一貫して大戸屋の客単価は増えています。

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