コロナ禍の高校運動部、大人は何ができるか 「スポーツと子どもの権利」当事者の悪戦苦闘

東洋経済オンライン / 2020年9月18日 10時0分

高校のサッカー部(撮影:益田美樹)

新型コロナウイルスの感染拡大によって“最後の大会”が中止になった高校生のために、春から夏にかけて「思い出作りの場」が各地で開かれた。その後、3年生たちは引退。

一方、集大成の大会が秋以降となるサッカーや陸上などの部活動では、一部の3年生部員が今も現役を続行中だ。大会中止や感染への不安、部活に対する社会の風当たり……。これまでにない環境で練習を続けながら、当人や保護者、指導者らは何を考えているのだろう。

■大会も部活も中止 揺れる高校生

千葉県の中央学院高校サッカー部3年、藤岡夏央さん(18)は8月上旬に流れたニュースに目を疑った。全国レベルの強豪、島根県の立正大淞南高校サッカー部の寮で新型コロナウイルスの集団感染が発生したというのだ。

「あのサッカー部のキャプテンは中学時代に一緒にプレーした仲間なんです。急いで連絡したら、『大丈夫だよ』と。とりあえず無事で安心しましたが、コロナはもう他人事ではない。いっそう気をつけなきゃと思いました」

前年には思いもよらなかった展開は、今もずっと続いている。

7カ月前の2月2日、藤岡さんら中央学院高校サッカー部の新チームは、千葉県の新人戦でブロック優勝を果たした。全国でも激戦区とされる千葉県で、ベスト8入りに相当する成績だ。幸先のよいスタートを切り、「先輩たちが残したインターハイベスト4を超えることを目標に、みんなで頑張っていました」と藤岡さんは振り返る。

約1カ月後の3月、コロナの感染拡大が深刻になってきた。当面の公式戦、練習試合はすべて中止。4月に入ると、学校が休校になった。練習も同じ時期に休止され、寮生の藤岡さんはいったん京都の実家に戻ることになった。そして4月26日には夏に予定されていたインターハイの中止が発表された。

「このチームでプレーできる時間、試合が少なくなってしまう。それが結構悔しくて、寂しかった。でも、(大会が)なくなったのは仕方がない。気持ちを切り替えていかないと」と藤岡さんは言う。

インターハイ出場を目指していた高校生は約120万人に上るとされ、野球なども含め多くの3年生は、夏が終われば引退する。しかし、サッカーをはじめとする一部競技は、夏で終わらない。男子だけで全国に4000校以上あるサッカー部は、冬に全国高校サッカー選手権がある。藤岡さんも練習再開となった6月以降、副キャプテンとして仲間を引っ張っている。

幸い、選手権大会の千葉県予選は、9月開催が決定。藤岡さんらの中央学院高校も9月19日の3回戦から出場することになった。全国大会も開催する方向で準備が進んでいるとの報道もあった。

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