コーセー、ポーラが注力する「私だけの化粧品」 肌やヘアケア商品で人気が再燃、異業種も参入

東洋経済オンライン / 2020年9月24日 7時20分

コーセーの旗艦店では自分専用のシートマスクを作ってもらえる。8月のお盆休みの時期には、1時間以上の長蛇の列ができた(記者撮影)

タブレット端末の前に座り、顔を左右に1回ずつ振ると、顔がスキャンされて3Dデータとなる。目の前にあるレーザー加工機がそのデータをもとに不織布を切り取っていく。

出来上がったのは、美容液や化粧水を浸透させ、顔に貼るシートマスク。スキャンも含めて要した時間はわずか5分だった。

「化粧品は種類が多すぎる。その中から自分に最も適した商品を選ぶのは大変」。そんな悩みを解決するのが、肌などの特性を調べ、その人に合った商品を製造・販売するパーソナライズド化粧品だ。

■アメリカ発の技術を活用

パーソナライズド・シートマスクの製造で7月からトライアル運用を始めたのは、化粧品大手のコーセーだ。旗艦店「メゾンコーセー」(中央区銀座)に行けば、顔の画像をスキャンし、シートマスクを1人につき3枚無料で作ってもらえる。パーソナライズド・シートマスクの提供は「日本で初めてのサービス」(コーセー経営企画部の森松孝之氏)だ。 

市販されている既存のシートマスクでは、「自分の顔にフィットせず、乾燥しやすい小鼻の横を保湿したくてもできない」(20代女性)などの不満があった。しかし、その人の顔の形や大きさに合わせて作られるパーソナライズド製品であれば、そんな心配は無用だ。

これを可能にしたのが、アメリカのスタートアップ企業「Bellus 3D」が開発した技術だ。顔の形を高精度でスキャンし、平面展開することができる。コーセーがこの技術に目をつけ、パーソナライズド・シートマスクに活用した。

「自分に合ったものを選びたい」という消費者ニーズの高まりやAI(人工知能)、AR(拡張現実)などのテクノロジーの発展で、注目が集まるパーソナライズド化粧品。ベンチャー企業や異業種も同分野に続々参入している。

ベンチャー企業のSpartyは2018年5月、パーソナライズドヘアケア商品「MEDULLA」を発売。さらに2020年5月にはパーソナライズドスキンケア商品「HOTARU PERSONALIZED」を市場に投入した。

MEDULLAの2020年4月の売り上げは前年同月比で倍増の4億円。会員数は21万人で毎月3万人増のペースで広がっている。

ロート製薬も2019年10月、パーソナライズ化したシャンプーやトリートメントなどのヘアケア商品「CONSTELLA」を子会社から発売した。アプリでの自己診断と美容師による診断を総合して商品を作る。

同分野における国内の先駆者が化粧品大手のポーラだ。1989 年からパーソナライズドスキンケアブランド「APEX」を展開している。将来予想されるシミへの対応やニキビケア分析など進化を重ね、1人ひとりの肌分析の結果に基づき、その人にあった化粧水や日焼け止めを製造・販売している。

■肌の動きで肌の内部まで推定できる

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