リモート勤務が当然になった人々が起こす激変 移動不要で時間効率化だけでなく国境も越える

東洋経済オンライン / 2020年10月11日 10時0分

「リモートが当たり前」になったことは社会的ルールの大転換が始まったことを意味します(写真:yongshan/PIXTA)

昨今の経済現象を鮮やかに切り、矛盾を指摘し、人々が信じて疑わない「通説」を粉砕する──。野口悠紀雄氏による連載第28回。

■リモートは想像を絶する社会を作る

1年前には「マニアックな人だけがやること」と考えられていたテレビ会議が、「ごく普通のこと」と考えられるようになりました。「社会的ルールの大転換」 が起きたのです。移動の多くが無駄なものであることがわかりました。

リモートは、活動可能性を広げます。日本に住んだままでアメリカの企業に勤務することが可能になったし、企業は全世界から優秀な人材をリクルートできます。これがもたらす変化は、想像を絶するものです。

新型コロナウイルスの感染拡大によって、Zoomなどによるテレビ会議が頻繁に行われるようになりました(注)。

もっと一般的にいえば、「リモート」の進展です。

私の場合でいうと、さまざまな打ち合わせを、テレビ会議で簡単にできるようになりました。

メールで用件と日時を決め、その時間帯を空けておくだけ。移動する必要もなく、簡単にできます。

ここで注意すべきは、テレビ会議は、技術的にいえば、かなり前から可能だったことです。

しかし、1年前に、「この件についてテレビ会議で打ち合わせたい」と言ったら、「変なことを言う人だ」と受け取られたでしょう。「私と会うのがそれほど嫌なのですか?」と言われかねませんでした。

それが変わったのです。いまは、簡単な用件について30分のテレビ会議で打ち合わせするのは、ごく当たり前のことと受け取られるようになりました。

テレビ会議は、1年前であれば「変なこと」「マニアックな人だけがやること」と考えられていました。リアルな会合をそれに切り替えることには、社会的な抵抗がありました。

そのため、技術的には可能だったにもかかわらず、広範には使われなかったのです。

それが、「ごく普通のこと」「当たり前の正統的な手段」と考えられるようになったのです。

いわば、「社会ルールの大転換」 が起きたことになります。

その転換がわずか半年の間に生じました。

これほど大きな変化がこれほど短期間のうちに起きたのは、人類の歴史で初めてのことだったと言っても過言ではありません。

(注)正確に言えば、テレビ会議は専用回線を用いて高画質の画像を送る場合であり、ここで述べているものは、「オンライン動画会議」というべきでしょう。

リモートは、コロナ感染拡大によってやむをえずに導入された面がありますが、実際にやって見ると、多くのことをわれわれに気づかせてくれました。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング