知ったらびっくり!?公的年金の「3号分割」 「女性と年金」の未来はどうなっていくのか

東洋経済オンライン / 2020年10月12日 13時10分

専業主婦中心の時代はとうに過ぎ去り、若い世代ほど仕事面で男女の違いは小さくなった。女性と年金の関係も急激に変化している(写真:Image Works Japan / PIXTA)

「物は言いよう」というのは、かなり重要な話だと思っていたりする。だから、私はある会議で、「世の中の大きなお金を動かそうというときには、物は言いようというのがあるだろう」などと、ついつい発言してしまうことになる。

その、物は言いようの話になるのかもしれないのだが、第3号被保険者という制度をある側面からみると、第3号被保険者の配偶者である夫――2018年度98.7%は男性だから夫と呼ぶが――は、自分が払っている年金保険料の半分を、奥さんのためにせっせと払ってあげていると言うことができる。この話が広く世の中に普及すると、第3号被保険者は、はたして減るのか、それとも増えるのか……このあたり、かなり前から関心を持っている。

■専業主婦とその夫は本当に得しているのか?

普通は、第3号被保険者は、保険料を払わなくても基礎年金をもらうことができると理解されているために、専業主婦がいる夫たちは、なんだか得をした気持ちになっていたりもするし、そうした話に関係のない人たちは、第3号被保険者制度は不公平な制度だと思っていたりもする。

しかし、2004年年金改革のときに、3号分割が法制化されて、これが施行された2007年4月以降は、第3号被保険者期間について、配偶者の厚生年金は夫婦間で分割されるものとなっている。要するに、夫が払った保険料というのは夫婦2人で共同負担したものだという宣言規定が法律に明記され、3号期間分の夫の厚生年金は離婚するときにはその半分が無条件に妻の持ち分ということになっているのである。その法律はこんな感じだ。

厚生年金保険法
第3章の3 被扶養配偶者である期間についての特例
(被扶養配偶者に対する年金たる保険給付の基本的認識)
被扶養配偶者を有する被保険者が負担した保険料について、当該被扶養配偶者が共同して負担したものであるという基本的認識の下に……。

夫に送られてきている「ねんきん定期便」に書かれていた年金額など、もし離婚することになれば夢のまた夢であって、離婚時には、妻の第3号被保険者期間分の厚生年金(報酬比例部分)は半分になる。3号分割を離婚分割と呼ぶゆえんである。3号分割が法制化される前の分でも、家庭裁判所での審判になれば、半分ずつ分けることでおおよそ落ち着くようである。

保険料を払わなくても第3号被保険者は年金をもらえるという物の言いようも、見かけ上は本当だけど、夫が自分の給付は半分でいいからと、第3号被保険者である妻の家事労働を評価して妻の分もしっかりと「共同負担」しているという物の言いようのほうが実態としては本当なのである。どっちの物の言いようを採るかで随分と印象が変わる。

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