脱ハンコの先「都市のデジタル化」で来る大変化 日本で進む「スマートシティ」実現への取り組み

東洋経済オンライン / 2020年10月19日 9時20分

来年度からスタートするスーパーシティの国家戦略特区が、スマートシティの取り組みを後押しすると期待する。

■約28万人のデータをサービスに活用

スマートシティへの取り組みを進めているエリアでは、会津若松市と同様に地方自治体、民間企業、地元住民などで組織する団体を立ち上げて都市OSなどの導入を進めている。

今年9月に開業した「東京ポートシティ竹芝」のある竹芝エリア(約28ヘクタール)では、2014年に「竹芝地区まちづくり協議会」を発足し、2017年に一般社団法人竹芝エリアマネジメントを立ち上げた。

「東京ポートシティ竹芝では、来街者に店舗の空席状況やクーポン配信などタイムリーな情報提供をできるように、リアルタイム性を重視した都市OSの導入を進めている」とは、東急不動産から出向している竹芝エリアマネジメントの花野修平副事務局長。

実際の開発は、2019年7月にリアルタイム解析処理型のアプリケーション開発プラットフォームを提供するアメリカ企業VANTIQと資本業務提携したソフトバンクが進めている。

「東京都が保有する土地で、国家戦略特区の指定を受けて開発を進めてきたが、電柱にAIカメラを設置するのにも各方面の許可が必要で苦労する。竹芝地区は海にも近く、多種多様なアプリを開発するのに適している」と、同エリアで新サービスの実証に積極的に取り組んでいく考えだ。

2020年7月に東京都が公募した「スマート東京」プロジェクトに採択された大手町・丸の内・有楽町地区(約120ヘクタール)の「大丸有まちづくり協議会」でも、都市OSを導入してリアルタイムデータの蓄積と活用の仕組みづくりを進める。

エストニアの電子政府システムを支える同国のCybernetica社と、パーソナルデータ連携の実証実験に取り組んできたNTTデータが、同地区のデータプラットフォーム基盤を構築する。

「大丸有エリアで働く約28万人の就業者の個人データを預かって、パーソナライズされたサービスを提供していく。将来的には来街者を含めて100万人が集まる街にしたい」(三菱地所DX推進部の太田清部長)と、日本を代表するビジネス街をスマートシティ化で進化させていく。

EU(欧州連合)で開発されたFIWARE(ファイウェア)を担ぐNECを含めて、都市OSの開発も進んできた。2020年3月に内閣府が公表したリファレンス・アーキテクチャに準拠して、ほかの都市OSと連携する機能などを追加した。

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