ラーメン店の倒産ラッシュが必然でしかない訳 「1000円の壁」突破する仕掛けが生き残りの鍵だ

東洋経済オンライン / 2020年10月22日 18時30分

コロナ禍においてラーメン店の業況の厳しさが浮き彫りに(写真:kazuhide isoe/iStock)

新型コロナウイルスの影響で、ラーメン店の倒産が近年稀に見る件数となりそうだ。

帝国データバンクが10月8日に発表した調査によると、ラーメン店の倒産は2020年1~9月に34件判明している。この時点でここ20年で最多となる昨年(2019年)の36件に並ぶ勢いとなっており、このペースで倒産が続くと過去20年における年間最多倒産件数の更新がほぼ確実となっている。

緊急事態宣言下の休業要請はもちろん、コロナ感染を怖れた消費者が外食を手控える中、飲食店側はテイクアウトや宅配に力を入れている。ところが、ラーメンはその輪の中になかなか入れないでいた。

自分で調理する材料一式をテイクアウトとして販売するお店やチェーンは一部あるが、ラーメンは運んでいる間に麺が伸びてしまうので、テイクアウトや宅配には圧倒的に向かない。弁当やサイドメニューを充実させたり、冷凍ラーメンを開発したりする店もあったが、体力のない個人店にはとうてい難しく、筆者が知る限りでもこのコロナ禍で閉店に追い込まれる店は数多い。

■そもそもラーメン店は薄利多売型

そもそもラーメン店は薄利多売型のビジネスだ。根っこにあるのは、古くて新しい「1000円の壁」という事実だ。

どんなにおいしくとも、どんなに高級食材を使っていても、ラーメン1杯の価格が1000円を超えると食べる側は心理的に「さすがに高い」と感じてしまう。多くのラーメン店は原価や人件費などを鑑みながら、1000円以内の価格を守ってきただけでなく、全体で見れば低価格志向がどんどん強まってきた。

総務省の「小売物価統計調査(東京区部、12カ月移動平均値)」によると、ラーメンの1杯当たりの価格は2020年8月時点で523円。これは、10年前のデータ(約550円)から比べると27円値下がりしている。この10年間では低価格型のラーメンチェーンが新興も含めて広がっており、回転寿司など他の業態に比べると値上げが難しく、ラーメンが低価格競争に巻き込まれていることを表している。

例えば、中華そばを355円(税抜)で提供する「日高屋」(ハイデイ日高)は2009年時点の250店舗から、2017年には400店舗にまで店舗数を伸ばしている。醤油ラーメンを480円(税抜・関東エリア)で提供する「餃子の王将」(王将フードサービス)は2011年7月に600店舗を達成し、2020年3月時点では737店舗となっている。

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