グーグル検索は「独占」、米国政府が暴いた全容 アップルに年間1兆円支払い、検索シェア拡大

東洋経済オンライン / 2020年10月22日 16時50分

アメリカ司法省から反トラスト法(独占禁止法)違反で提訴されたグーグル。スマートフォンOS「アンドロイド」を中心とした検索エンジンの拡大戦略に「待った」がかかった(写真は2018年5月、グーグル本社にて記者撮影)

アメリカ政府とテクノロジーの巨人の全面対決が始まった。10月20日、アメリカ司法省は反トラスト法(独占禁止法)に違反したとして、IT大手グーグルを提訴した。スマートフォンメーカーなどにOS(基本ソフト)の「アンドロイド」やグーグル製アプリを無償提供する代わりに、検索サービスを優遇させ、競合を排除した疑いがあるとしている。

IT大手を相手取ったアメリカ政府の大型訴訟は、マイクロソフトがOS「ウインドウズ」とブラウザー「インターネットエクスプローラー」を抱き合わせ販売し、競合を排除したとして司法省が起こして以来、実に20年ぶりだ。グーグルをはじめとする巨大IT企業への逆風が今、かつてなく強まっている。

■アンドロイド買収で検索の王座を死守

世界の検索エンジン市場に占めるグーグルのシェアは約9割。これはアメリカでも同様だ。1998年の創業以来、同社はまずパソコンのデスクトップ上で事業を拡大。そして2005年にアンドロイドを買収し、スマホOSに参入した。目的はパソコン向けで築いた検索の王座をスマホでも死守し、巨額のお金を生む検索広告ビジネスを拡大することだった。

現在アンドロイドは全世界で20億人以上のユーザーを抱え、検索広告収入はグーグルの売上高の6割を占める。グーグルはアンドロイドの展開を始めた当初から、検索の利用を促すさまざまな策を講じてきた。今回司法省が問題視したのが、この一連の戦略である。

検索サービスにアクセスする場としてはブラウザー(グーグルの場合は「クローム」)、検索アプリ、検索バー(スマホのホーム画面上に常時表示する検索ボックス)、声やホームボタンで呼び出す音声アシスタント機能(同「グーグルアシスタント)などがある。これらにはデフォルト(初期設定)の検索サービスが設定されており、ここに入れるかどうかで勝負が決まるといってよい。

「モバイルユーザーは(自分で検索サービスを)デフォルトのものから変えようとしない」。司法省の訴状で引用されたグーグル社内の研究結果ではこう指摘されている。だからこそグーグルはデフォルトの検索サービスになることを目指す戦略を立てた。

スマホにおいては端末メーカーや通信キャリアがグーグル検索をデフォルトとして採用するかがカギになる。「どうすればこの2つの通信市場(スマホとキャリア)を制覇できるのだろう」。同じく訴状で引用された当時のグーグル社内で交わされた言葉が切実さを表している。その解が、アンドロイドだった。

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