ニトリ、TOB中の「島忠買収」に待ったの背景事情 DCM提案に対抗、首都圏の店舗網拡大が狙いか

東洋経済オンライン / 2020年10月23日 7時40分

DCMホールディングスによる島忠の買収に待ったをかけたニトリ(左写真は記者撮影、右写真の撮影は尾形文繁)

ホームセンター業界の再編に家具の盟主が「待った」――。

国内家具最大手のニトリホールディングスが、ホームセンターと家具店を展開する島忠に対し、TOB(株式公開買い付け)での買収を検討していることが明らかになった。

島忠をめぐっては、ホームセンター業界2位のDCMホールディングスが完全子会社化に向けて10月5日から11月16日までの予定でTOBを実施中だ。そこにニトリが割り込んでTOBを提案すれば、島忠をめぐる争奪戦という異例の事態へと発展する。

■友好的TOBが一転、争奪戦に

ニトリによる島忠のTOBに関する報道が駆けめぐった10月21日朝。両社はほぼ同じタイミングでコメントを発表した。ニトリは「島忠も含め、M&Aを通じた成長の可能性を日々検討している」と含みを持たせたが、島忠は「具体的な提案は受領していない」とコメントした。

関係者は「不確定要素はあるが、交渉を進めているのは事実。当然ニトリはDCMよりも高い価格を提示するから、DCMがどこまで応戦できるか次第だ」と明かす。

DCMが島忠のTOBを発表したのは10月2日のことだった。会見で島忠の岡野恭明社長は「DCMの完全子会社になるが、両社はどちらが上も下もなく対等の精神による経営統合」と語り、両社同意の下での友好的TOBであることを強調していた。

業界7位の島忠の買収をDCMが決めた背景には、ホームセンター業界で活発化する再編の動きがあった。ホームセンターの市場規模は20年前から4兆円前後で推移する一方、店舗数は増え続けており、各社は生き残りをかけて規模拡大などを進めてきた。

業界3位のコーナン商事は2019年にプロ用建材資材卸の建デポをLIXILから買収し、2020年2月には関東地盤のドイトをドン・キホーテの親会社から事業買収。2020年6月には業界11位のアークランドサカモトが、同6位のLIXILビバを買収すると発表した。

こうした一連の動きにDCMも影響され、島忠との経営統合を持ちかけた。両社は統合によりプライベートブランド(PB)商品の開発などを強化する方針を掲げた。さらにDCMは2019年度にカインズへと明け渡した売上高業界首位の座も、島忠の買収で奪還する算段だった。

しかし、ニトリの参戦によって、これらの構想は根底から崩れることになりかねない。

ニトリは1967年に似鳥昭雄・現会長が北海道で創業。1990年代半ばに本州進出を果たして以降、一気に家具業界で圧倒的首位へ登り詰めた。だが、意外にも「小売り企業のM&Aは過去にない」(同社広報)という。

■島忠買収で売上高1兆円達成も

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