米国の難関大の学生が親に学費を頼らないワケ 大学からは自力でいく、という考えが根強い

東洋経済オンライン / 2020年10月26日 9時10分

アメリカの学生たちはどうやって学費を負担しているのでしょうか(写真: Lipik/PIXTA)

子供に対する教育費の考え方は、各国で大きく異なります。『スタンフォード式 お金と人材が集まる仕事術』を上梓したスタンフォード大学医学部精神科教授の西野精治氏は、アメリカでは、高等教育の学費は子供自身も支払っていると言います。本書を一部抜粋・再構成して背景事情を紐解きます。

アメリカの教育費について言えば、親の負担は日本以上かもしれませんが、高等教育に関しては子供も負担するというのが私の印象です。アメリカは高校までが義務教育なので授業料は無料です。

スタンフォード周辺には「私立に行く必要がない」と人々が話すほど良質な公立学校もあるので、越境入学をして来る人も少なくありません。大学の授業料も、州立大学であれば大体2万5000ドルと抑えられています。

しかし、私立大学の場合はそうもいかず、スタンフォード大学の学費は年間およそ5万ドル。学部生のおよそ90%は構内で寮生活をしていますが、寮費、食費、教科書代などで年に最低1万5000ドルかかります。学費だけでもかなりの高額なのです。

■大学は自力で行くという考え方

「それじゃあ日本の親と同様に、教育費はすごい負担じゃないか」と思うかもしれませんが、「大学からは自力で行くもの」と考えるのがアメリカです。親は将来の学費のことを考え、子供に高価な物を買って与える代わりに、子供が生まれた時から子供名義で貯金を始める家庭が多いです。

また、子供が返済を要する国の奨学金を借りた場合には、金利が年に6%と高いので、親が返済する場合もあります。そうした場合でも、子供が親にその金額を返済するケースがほとんどです。

裕福な家庭の出身であっても、「奨学金を獲得して自分で大学に行く」と考えるのが常識ですし、スタンフォードに合格できるレベルの学生であれば、返済不要の奨学金を得られることは珍しくありません。

アメリカには国や州、民間とさまざまな奨学金が用意されており、それを獲得する才覚があることも優秀な学生の条件のうちです。奨学金と言うとスポーツ特待生をイメージするかもしれません。すでに書いたように、確かにリオ五輪でアメリカが獲得した46個の金メダルのうち、14個はスタンフォードの学生らによるものです。

スポーツ選手で言うと、いちばんの有名人としてはゴルフのタイガー・ウッズとトム・ワトソン、ミッシェル・ウィー、テニスのジョン・マッケンローがいます。ほかにも、ベースボール、バスケットボール、アメリカンフットボールのメジャーリーガーも輩出しています。

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