「河井夫妻裁判」と「オウム裁判」の奇妙な共通点 証言拒否、弁護人解任、不規則発言による妨害

東洋経済オンライン / 2020年10月29日 7時30分

公職選挙法違反の罪に問われ、無罪を主張している河井克行被告(写真:ロイター/アフロ)

昨年7月の参議院選挙をめぐり、大規模な買収で公職選挙法違反の罪に問われている参議院議員の河井案里被告(47)が10月27日に保釈された。

夫で元法相の河井克行被告(57)と一緒に起訴され、今年8月25日の初公判では、2人が並んで法廷に立って無罪を主張していた。

ところが、9月15日の公判が終了した直後に、弁護人を全員解任した克行被告の審理が止まってしまう。法定刑の上限が懲役もしくは禁固で3年を超える事件の裁判は、弁護人が就かないと審理が進められない。そこで、分離された案里被告の公判だけが淡々と続いていた。

その案里被告の裁判に、克行被告が証人として出廷したのは、10月22日のことだった。克行被告は、昨年の参議院選挙で案里被告を当選させるために、地方議員や後援会員ら100人に2901万円を渡したとされる。

長くなった前髪を垂らして、少し痩せたのか、スーツが身体よりひとまわり大きく見える克行被告は、裁判長から名前を訊かれてはっきりと答え、職業を尋ねられると、「衆議院議員です!」と大きな声で答えていた。

そこから検察官の尋問がはじまる。

■裁判での態度が「麻原彰晃」とそっくり

「あなたの職業は衆議院議員ですね」

「はい、そうです」

最初の質問まではよかった。そこから地元広島の選挙区についての質問がはじまると、証言を拒否しはじめた。

「裁判長!」と最初に声を張り上げ、弁護人を一昨日に選任したこと、打ち合わせが十分でないこと、自身が刑事被告人であることなどを理由に挙げ、さらには憲法や刑事訴訟法の条項までを述べて「必要なことは自身の法廷でお答えしたいと思います」と、証言を拒否する。

それでも検察官が質問を続けると、そのたびにまわりくどく説明して証言拒否を表明する。検察官もこうした事態に慣れていないらしく、返答に窮するような曖昧な趣旨の質問が飛び出す。

すると裁判長が割って入り、質問の仕方を指示したり、被告人に説明したりする。さらには弁護人も異議を差し挟んで、それで法廷が混乱する。

そんな法廷を傍聴席から観ていて、かつてのある裁判を思い重ねていた。この裁判のやり方や態度は、まるでオウム真理教教祖の麻原彰晃(本名・松本智津夫)元死刑囚や、その弟子たちとそっくりなのだ。

地下鉄・松本両サリン事件や坂本弁護士一家殺害事件など、一連のオウム事件の首謀者として裁かれ、2年前の7月に死刑が執行された麻原。その初公判は、逮捕から5カ月後の1995年の10月26日に予定されていた。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング