身勝手な人の脳が「活性化しにくい」カラクリ 相手を思いやれない人は幸せの感じ方が薄い

東洋経済オンライン / 2020年10月30日 9時50分

困っている人に「共感」するか、「自業自得」と切り捨てるか。それぞれの人の脳の活性化には大きな違いがあります(写真:Khosrork/iStock)

他者のための行動を「利他的行動」という。これまで利他的行動のメリットは、数多くの本で語られてきたが、脳科学的にも利他的行動が人間にとって望ましい行動であることが裏付けられている。『科学的に幸せになれる脳磨き』を著した脳科学者が、利他的行動と脳の関係を解説する。

■他者のための行動が幸せにつながる

「まずは自分」と考えるのではなく、まずは他者のことを考える。

人の役に立てることはないか、人を喜ばせることはできないかなどと考える。

これが他者のための「利他の行動」です。

利他の行動は、共感にもとづくものと、そうでないものに分かれます。

共感にもとづく利他の行動とは、純粋に相手を思いやって行うものです。

たとえば、友人が困り悲しんでいたら、その気持ちに共感し、友人の力になれることはないか、役に立てることはないかと考え行動するといったことです。

一方、共感をもとにしない利他の行動とは、何かをしてくれたその「お礼」として何かをしてあげること、あるいは「見返り」を期待して、何かをしてあげるような行動です。

幸せに生きることにつながるのは前者の、共感にもとづいた利他の行動なのです。

スイス・チューリッヒ大学のハイン博士らは、共感にもとづく利他の行動を取る人とそうでない人の脳にどのような違いがあるかを調べ、実験を行いました。

実験に協力してくれる被験者の前に、別の人が座ります。

その人は被験者の前で電気ショックを受けます。わかりやすいように被験者をA、電気ショックを受ける人をBとしましょう。

被験者Aは、Bが電気ショックを受けて苦痛になる様子を見ます。

このとき被験者Aは、「あなたがお金を払えば、その金額に応じてBが受ける電気ショックの電気量を下げてもらえる、または電気ショックを受けずに済みます」と説明を受けます。その後、Aがどのような反応をするかを見ていくのです。

すると、自分がお金を払ってでも相手を助けたい、相手の電気ショックをなくしたいと思う人と、他人の痛みなど気にしない、ましてや自分が損をしてまで相手を助けようとは思わない人とに分かれました。

また、AとBの立場が入れ替わる実験も行われました。

被験者Aが電気ショックを受け、Bがその様子を見ますが、Bは電気ショックを弱めたり、やめさせたりすることができます。

この結果、最初の実験ではお金を払わなかった人も、自分が助けられた経験をしていると、お金を払うようになりました。これは、お礼の意味を込めた利他の行動と思われます。

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