GoToトラベルの衝撃と「星野リゾート」の現状 「ワーケーション」での連泊利用が増えている

東洋経済オンライン / 2020年10月30日 12時20分

星野リゾートが10月22日にオープンした自転車をテーマにした「BEB5土浦」。宿泊費は、2名1室で1名あたり税・サービス料別1泊6000円~(写真:星野リゾート)

コロナ感染防止か経済優先か。政府が進めるGo Toトラベルキャンペーン(以下、Go To)をめぐって世論が割れている。10月からはGo Toに東京発着も加わったが、実際、どれくらいのインパクトがあるのか。リゾート運営大手の星野リゾートとホテル大手のプリンスホテルの直近の業績から、Go Toの効果を読み解く。また、記事の後半では、コロナ期におけるホテルのあり方のベンチマークになりうる、直近の新規開業施設を紹介する。

■マイクロツーリズムの重要性

まず、10月13日に開催された星野リゾートのプレス発表会で公表された業績の数字を見ていくが、数字を読み解くうえでキーワードとなるのが、星野佳路代表が提唱する「マイクロツーリズム」だ。マイクロツーリズムは、「県内旅行と誤解されることが多いが、お客様が自宅から1~2時間で行けるエリアの旅行であり、軽井沢であれば、県境をまたいだ前橋や高崎あたりまでが商圏として含まれる」(星野代表)という。

このマイクロツーリズムの重要性について星野代表は、「感染拡大を防止しながら地域経済を両立する、新たな旅のあり方の1つ。これまで私たちは、遠方のお客様に来ていただけるようサービスを充実させてきたが、コロナ感染拡大を受け、食事やアクティビティの内容をマイクロツーリズム商圏のお客様に来ていただけるようアジャストさせた。マイクロツーリズム商圏のお客様は、年に4回、5回とリピートしてくださる可能性があり、今回のように、旅行業が危機的な状況になったときに下支えとなる」と説く。

4月以降、星野リゾートはマイクロツーリズム市場への訴求を進めたが、その効果が如実に表れたのが、「星のや京都」だ。8月の稼働実績を昨年比で見ると、昨年はインバウンドが47.3%と全体の半数近くを占めたのに対し、マイクロツーリズムは9.4%にすぎなかったが、今年はマイクロツーリズムが39.9%と、ゼロになったインバウンド消失分を埋めるのに貢献。稼働率も91.8%に達した。

「星のや東京」においても、昨年8月のマイクロツーリズムは9.2%にすぎなかったが、今年は53.0%と大幅な伸びを見せた。だが、東京は圧倒的なインバウンド市場であり、同施設のインバウンドは昨年ベースで77.2%にも上っていた。マイクロツーリズムだけではインバウンド消失分をカバーするには至らず、稼働率で見ると60%弱にとどまった。

では、次にGo Toの効果を見てみよう。10月分の客室予約が、どのようなペースで埋まっていったかを示すブッキングカーブを見ると、「星のや京都」は、例年であれば6月末時点で、すでに半数の部屋が埋まっていたところ、今年は20%に届かずにいた。しかし、Go Toに参加した8月後半から一気に予約が進み、10月に入ると昨年の実績を上回る97%に達した。

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