稲盛和夫「人を雇うなんておこがましい」の真意 躍進する企業経営者は「成功哲学」を持っている
東洋経済オンライン / 2020年11月10日 16時0分
「ワード・ポリティクス」という言葉がある。アメリカには「ワード・ポリティクス」に長けたリーダーが多い。
例えば、ジョージ・W・ブッシュ大統領は、2001年9月11日に「同時多発テロ」が起きたとき、「民主主義国家に対するテロリストたちとの戦争」だと言い切り、国民を1つにした。アメリカ国民の心をつかんだバラク・オバマ大統領の「Yes, we can.」は記憶に新しい。日本でも「自民党をぶっ壊す」と叫んで高支持率を得た小泉純一郎首相には、天才的な「ワード・ポリティクス」のセンスがあった。
企業の経営にも「ワード・ポリティクス」が必要である。とくに時代の転換期や危機的な時期には、従業員や株主、そして社会を納得させ、共鳴させる決め手となる「言葉」が必要である。躍進する企業の経営者たちの多くは、私たちをうならせる言葉、すなわちシンプルな「成功哲学」を持っている。
『伝説の経営者100人の世界一短い成功哲学』ではそうした言葉が数多く紹介されている。本稿では、同書から一部抜粋してお届けする。
注)本稿に登場する経営者の肩書は、著者の記憶に最も印象づけられている当時のものです。そのため、短い略歴を同時に掲載しています。
■京セラ創業者・稲盛和夫の名言
世の中に失敗というものはない。チャレンジを諦めたときに、それを失敗というのだ【稲盛和夫(京セラ創業者)】
稲盛和夫(いなもり かずお)/1932(昭和7)年、鹿児島県に生まれる。1959(昭和34)年、京都セラミツク(現京セラ)を設立し、世界的企業に育て上げる。1984(昭和59)年、第二電電企画(現KDDI)設立。その後、会社更生法の適用を受けた日本航空を会長として見事に再生させた。
私は、数多くの政財界人とそれぞれの個性が、日本に影響を与えるのを見てきた。彼らは皆それぞれに違った才能と個性を持っている。では、共通する部分とは何か。それは、「どんなときでもマイナス思考にならない」ということではないかと思う。
京セラ創業者の稲盛和夫もまた、そうした人間だ。稲盛は言う。
「世の中に失敗というものはない。チャレンジを諦めたときに、それを失敗というのだ」
稲盛に初めて会ったのは、1980(昭和55)年。京都セラミツクはすでに社員数3000人という大企業だった。当時の稲盛は、しきりに「心をベースにした経営」ということを力説していた。
「経営者と社員とのあいだには、いかなる違いもない。お互いに信頼し合った者同士が企業という集団、いわば運命共同体のために働くのだ」と言っていた。私はこういう言い方に、どうしても強い抵抗があり、怪しみながら稲盛と会う日を迎えた。
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