東急池上線、大都会に珍しい「人情路線」の素顔 リニューアルした駅舎と昔ながらの風情が共存

東洋経済オンライン / 2020年11月12日 6時50分

東急池上線の御嶽山駅。駅前に商店街が多い池上線は地域に溶け込んだ雰囲気のある路線だ(筆者撮影)

東急池上線は五反田駅から出ている。山手線ホームから空を仰いだ上空、地上4階という高さに池上線のホームはあって、そこから3両編成の電車が出発するのだ。池上線というとローカルなイメージがあるが、実際には東京城南地区の住宅地の中を貫いて走る。だから全線にわたって利用者は多い。とくに山手線との接続駅である五反田駅はかなりのにぎわいだ。列車は3両編成と短いが日中でも6分間隔と運転頻度もなかなかのものである。

■日中も多くの乗客でにぎわう

昼前の池上線に乗った。座ろうと思えば座れるが、目指す池上駅までは20分足らず。無理をして座る必要もないと、ドアの脇に立って車窓を眺める。五反田駅を出発した電車は、すぐに目黒川をわたって五反田の繁華街の中をゆく。お隣の大崎広小路駅まではたったの1分。五反田という町には歓楽街的なイメージも漂うが、最近ではIT企業が目立って増えているという。

大崎広小路駅を過ぎると、沿線風景はのどかな住宅地へと変わってゆく。戸越銀座商店街でおなじみの戸越銀座駅は、平日の昼間も多くの人が乗ったり降りたり。

東急大井町線と交わる旗の台駅も池上線の中では乗降の多い駅の1つだ。洗足池駅はその名のとおり洗足池の最寄り駅。掘割を抜けて呑川沿いの谷間に位置する石川台、池上線の車両基地が隣接する雪が谷大塚など、わずかな距離にたくさんの駅が連なっているのは、池上線の特徴といっていい。

こうしていくつの駅を過ぎたのか忘れた頃に池上駅に着く。真新しい橋上駅舎の改札口で出迎えてくれたのは、東急池上線を所管する2人の駅長。五反田―雪が谷大塚間を預かる五反田駅の所健一駅長と、御嶽山―蒲田間を受け持つ蒲田駅の曽我佳衣駅長だ。

「池上駅は7月にリニューアルしまして、これで構内踏切がすべてなくなりました。以前の駅も古きよき駅舎という感じで素敵だったのですが、新しい駅舎も本門寺をイメージして便利な駅になったと思っています。来年春には商業施設もあわせてグランドオープンの予定です。あと、バックヤードにも女性用の仮眠室やシャワールームもできて、快適なんですよ」(曽我駅長)

まだ新築の香りが残る駅舎を出ると、西島三重子の名曲のような“角のフルーツショップ”はないけれど人の流れの絶えない商店街が線路に沿って伸びていて、少し先には池上本門寺。駅のすぐ先には踏切もあって、人と自転車とクルマがごちゃごちゃと通る。危ないといえば危ないのかもしれないが、やはりこれぞ私鉄沿線の真骨頂だ。

■地域に密着した路線

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