ZOZO、カリスマ引退と大反省を経て描く未来 澤田社長はトップダウンから組織力の転換を推進
東洋経済オンライン / 2020年11月18日 8時0分
創業者の前澤友作氏が2019年9月に社長を電撃退任してから1年。前澤社長時代のプライベートブランドの不振、会員向け割引制度導入による出店ブランドの反発など、迷走の続いたZOZOが成長軌道に戻りつつある。
新型コロナウイルスの影響でEC(ネット通販)の需要が高まり、4月頃から「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」に出店するブランドからの販売依頼が急増。今2021年3月期は売上高・営業利益ともに過去最高を見込む。
だが、株価は時価総額が1兆円を超えていた2年前のピーク時と比べて6割程度の水準でしかなく、市場はZOZOの中期的な成長性を見極めかねているようにも映る。さらに楽天などほかのモール事業者はファッション領域を強化し、アパレル各社も自社ECの構築に注力する流れが強まっている。
競争の激しい市場環境でゾゾタウンをどう拡大させるのか。カリスマ創業者の後を継ぎ、昨年から指揮を執る澤田宏太郎社長に聞いた。
――創業者の前澤氏から社長のバトンを引き継いで1年が経ちました。
今まではよくも悪くもとにかく前澤を拠り所とした会社で、それを受け継ぐに当たり、「組織力を培わなければならない」との思いが第一にあった。会社の拠り所として何を据えるべきかと考えて、「モア・ファッション」と「ファッションテック」という軸を掲げた。ZOZOはファッション好きの人間が世界一集まっている会社だと僕は思っている。それを生かさない手はない。
一方で最近は(ゾゾタウン上で)大量に安いものを販売する流れがあり、社内の雰囲気を以前のようにグッと引き戻したいと考えていた。みんななんとなく“モヤモヤしていたもの”があったから、「われわれはファッションを盛り上げていく存在なんだ」という思いを社内で再認識できたことは大きい。
■新たな“神経回路”がつながってきた
世界的に今、「ファッション×技術」が盛り上がりを見せている。当社にも技術者が増えて、NASA(米航空宇宙局)で研究をしていたような人たちもいる。技術者とファッション好きの人間のそれぞれが強み。両方の軸が会社の大きな拠り所になったと感じている。
人が想像もつかなかったことをやってみて、うまくいかなかったらまた次に行こうという会社のDNAを大事にしたかった。ただ、その先頭にずっと立っていたのは前澤だった。現場の力でDNAを受け継いでいかないといけない。
そこに関しても「ソウゾウのナナメウエ」というスローガンを最近設定した。これはまだこれから。トップダウンでやってきた会社の神経回路と、組織力を活かす会社の神経回路はやっぱり違う。1年くらい経ってやっと、その回路がつながってきたところだ。
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