北陸・北海道に続くか、「四国新幹線」構想の盲点 四国4県は一枚岩か、通過点の岡山の動向も鍵に

東洋経済オンライン / 2020年11月23日 7時10分

四国新幹線の実現を訴える看板(撮影:尾形文繁)

新型コロナウイルス感染拡大の影響でJR四国が苦境にあえいでいる。経営難という点では、近年になって夕張支線や札沼線の一部区間など、不採算区間を次々と廃止するJR北海道のほうがより深刻に見えるが、JR四国も例外ではない。

11月6日に発表された2020年度第2四半期決算は売上高が前期比54.4%減の115億円、営業利益は前期の38億円の赤字から140億円の赤字へと拡大した。売り上げが137億円減、営業利益が102億円減だ。売り上げの減少がほぼそのまま利益の減少に直結している。

同じく経営の厳しいJR北海道の2020年度第2四半期決算は売上高が前期比39.2%減の519億円、営業利益は前期の149億円の赤字から385億円の赤字へと拡大した。業績悪化という点では同じだが、売上高の減少度合いを見ると、経営規模の小さいJR四国のほうが新型コロナの与えるダメージは大きいといえる。

■観光列車は健闘するが…

四国4県の総人口は372万人。九州7県の総人口1280万人や北海道の525万人と比較すると明らかに少ない。しかも、JR北海道は経営再建に向け、利用者の少ない路線の維持方針について地元と協議を進めているほか、2030年度の北海道新幹線札幌延伸によって収益構造が好転する可能性もある。それと比べれば、JR四国の将来に向けた構造改革はまだ道半ばだ。

人口減少が止まらない中、交流人口を増やすために、JR四国でも「伊予灘ものがたり」をはじめとした観光列車を多数運行している。JR四国の西牧世博社長は、「マスコミの方々が取材に来ると、観光列車だけでなく四国の景色や食べ物も全国に発信してくれる。その波及効果は非常に大きい」と話す。同社の観光列車は12種類。四国の鉄道ネットワークの大半に乗り入れており、四国におけるJR観光列車の存在感は大きい。

しかし、いくら観光列車が健闘しても、そこからもたらされる収益によってJR四国の経営が抜本的に改善されるわけではない。人口減とモータリゼーション、2つの外的要因が地方鉄道の経営をむしばんでいるが、JR四国も例外ではない。

とくにモータリゼーションの影響が深刻だった。四国にとっての悲願ともいえた、本州と四国を結ぶ3本の連絡橋が1999年までに完成し、さらに四国の主要都市を結ぶ高速道路も続々と開通したことから利用者は鉄道からクルマに流れ、運輸収入は減少の一途をたどった。本州と四国を結ぶ本四備讃線は黒字だが、ほかの路線はすべて赤字だ。

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