江東区「待機児童14人」でも認可入れない裏事情 国が推進する「待機児童数」重視政策の弊害

東洋経済オンライン / 2020年11月27日 9時0分

東京都江東区の「保育力」を分析していきます(写真:msv/PIXTA)

保育政策の充実度を測る指標は「待機児童数」だけではありません。過去20年にわたり主要100自治体へ保育施策に関する独自調査を行ってきた「保育園を考える親の会」の代表の普光院亜紀氏が、「入園決定率」「園庭保有率」「保育料」といった指標から、自治体ごとの真の「保育力」を分析します。

第2回の今回は東京都江東区です。

■子育て世代の流入が激しい

江東区は荒川と隅田川にはさまれた地域で、区北部を除く部分は江戸時代以降に埋め立てられた土地です。

23区で6番目に面積が広く、古くからの下町、オフィス街、商業地、高層マンション群、工業地域などなど新旧さまざまな街並みがあり、臨海部は緑地や水路が特徴的な風景になっています。

江東区はマンション開発等による若い世代の流入が進んでおり、とくに豊洲地域は今後も人口の増加が予測されています。

◆3つの指標で見る江東区の保育力
入園決定率…83.5%(主要89自治体 *平均77.5%) 
園庭保有率…52.4%(主要98自治体 *平均71.8%)
中間的な所得階層の1歳児保育料…3万3700円(主要98自治体 *平均3万0587円)
*首都圏の主要市区、政令指定都市100市区が調査対象だが、有効回答数は指標・年度によって異なる

【2020年12月14日14時05分追記】初出時、保育料の数字の一部に誤りがありましたので修正しました。

まずは入園決定率から見ていきましょう。

保育園を考える親の会では、毎年、首都圏の主要市区と政令市の100市区について「100都市保育力充実度チェック」という調査を行っています。その中で、認可の保育(認可保育園、認定こども園、小規模保育、家庭的保育等)に入園を新規に申し込んだ子どものうち何パーセントが入園できたかという数値「入園決定率」を算出しています。

国が発表している待機児童数は人口が多い自治体の数値が多くなり、「入れなかった児童数」からさまざまな数字を差し引いた数になっているので、実際の入園の難易度とはかけ離れたものになっています。「待機児童ゼロ」と発表した自治体でも、認可に申し込んでも入園できていない子どもはたくさんいます。

人口増加によって保育園の入園事情が悪化していた江東区ですが、ここ数年で「入園決定率」はかなり改善しています。2020年4月1日入園での「入園決定率」は、東京23区中で3位、有効回答89市区中で21位の83.5%になっています(2020年4月1日入園での数字)。2016年には62.0%だったので、4年間で20%上昇したことになります。

■なぜ待機児童としてカウントされないのか

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