「GoTo停止」の衝撃、ちらつくホテル特需の終焉 絶好調のリゾートホテルも浮かれていられない

東洋経済オンライン / 2020年12月2日 6時50分

GoToトラベルのポスターを街の至る所で見かけるようになったが・・・(記者撮影)

「11月まで好調だったが、12月の予約キャンセルがかかりはじめた」「ここにきて予約のペースが落ちている」――。ホテル業界関係者からは早速、懸念の声が聞こえてくる。

政府は11月24日、GoToトラベル事業の対象から、コロナ感染が拡大している大阪市、札幌市を一時除外すると発表した。12月15日までの3週間、両市を目的地とした旅行について、新規予約に対する適用を停止する(後に両市を出発する旅行の自粛も要請)。

たった3週間、大阪と札幌のみの除外にもかかわらず、懸念の声が上がるのは、足元のGoToによる需要の底上げ効果が絶大だからにほかならない。

■車で行ける高級リゾートホテルに恩恵

7月22日のキャンペーン開始にあたっては、コロナ感染の増加で「東京外し」が決まるなど混乱気味のスタートだった。そんな中、いち早く反応したのが都市部からそう遠くなく、高価格帯のリゾートホテルだ。

藤田観光の「箱根小涌園 天悠(てんゆう)」(150室)は全室露天風呂付きで、基本料金が1人1泊3万3000円~(2食付き)という高級旅館だ。7月の売上高は前年同月比60%程度にとどまっていたが、8月には前年実績と肩を並べ、9月、10月とさらに売り上げを伸ばした。10月初旬には稼働率が95%を超えるなど、ほぼ満室の盛況が続く。

同じく藤田観光のグランピングリゾート「藤乃煌(ふじのきらめき)富士御殿場」も、密を避ける構造から需要を捉えており、天悠とともに過去最高の稼働率を記録している。

この傾向は他社でも同様だ。プリンスホテルも、「ザ・プリンス箱根芦ノ湖」などを展開する箱根エリアは11月、稼働率で前年を上回って推移している。中でも各客室が独立した構造を持つコテージタイプのホテルが人気だ。プリンスホテルでは、箱根をはじめ大磯、軽井沢などが早期に回復をみせ、近場から訪れる客を中心に好調に推移しているという。

客のニーズをつかんだ理由は、なるべく接触を避けて移動・滞在できるクローズ感のようだ。客はコロナ感染リスクを十分に考慮したうえで、宿泊先を選んでいる。業界関係者は「感染リスクが少なく、都市部から車で1~2時間と公共交通機関を使わずに行ける適度な遠さの観光地に人気が集中している」と口々に語る。

■テレワークの普及が追い風に?

千葉県の「鴨川グランドホテル」もGoTo需要をとらえた。前身の旅館時代から天皇陛下がたびたび宿泊した名門ホテルで、風呂付き、部屋食のハイグレードなプランが人気だ。平日の予約も多く、11月の稼働率は9割超と絶好調。法人需要は大幅に減ったが、個人客の宿泊が増え、単価を高く保っている。

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