新卒採用で人事担当が嘆く「就活生の質の劣化」 売り手市場で低い意欲、内定辞退に憤る声も

東洋経済オンライン / 2020年12月3日 11時10分

最近の新卒採用について企業の人事担当者からは「学生の質の劣化」を嘆く声が聞かれる(写真:xquang/PIXTA)

今回は新卒採用の問題点を考えてみたい。

学生は大学や専攻する学部・学科という条件の中で、志望業界と企業を絞り込んで就活を進める。企業は学生以上に千差万別。規模、業種、好・不況の波があり、経営陣の考え方やセンスも採用に影響を与える。立場によって抱える問題は変わるが、共通する課題もある。

人事担当者が見ている採用の風景と認識をアンケートから拾い上げてみよう。使用するデータは、「HR総研:2021年卒&2022年卒採用動向に関する調査」(2020年6月26日~7月2日実施)である。

■「学生の質の劣化」を指摘する声

人事担当者のコメントで目立つのは、学生の質の低下、劣化を指摘する声だ。こういう指摘はいつの時代にもあった。古代エジプトの粘土板にも「いまどきの若者はけしからん」という大人の慨嘆が記されていたそうだ。この話はよく知られているが、出典ははっきりしないらしい。

この話の真偽は定かではないが、昔から大人や老人が「いまどきの若者は……」と文句を唱えていたというのはありそうな話だ。

若者は活力に富み、経験が少なく、ものの道理に暗いから、時にとんでもないことをする。だから冒険者のほとんどは若者だ。失敗によって学び、成長し、いつか物わかりのよい(時には頑固な)大人になっていく。若者をとがめる大人もかつては若者だったはずだが、自分の若い頃のことは棚に上げている。

ただ、人事担当者の若者批判を読むと、「いまどきの若者は……」という類型的なものと少し異なる印象がある。「ものを知らない」「マナーやルールを守れない」「自信過剰で生意気」ではなく、価値観、行動軸に問題があり、「人間として評価できない」と感じる採用担当者が多いのだ。

「学生の労働意欲や向上心の希薄さや自己中心的な考え方」(サービス・1001人以上)

「学生の意欲低下、おとなしい性格の者が増加」(サービス・1001人以上)
「学生の質の低下。特に主体性やバイタリティの低下。そういう経験をして育ってきていない」(金融・301~1000人)

「学生の自己評価が高い、企業に就職する意味(コストをかけて採用する側の視点)をあまり考えていない傾向。義務教育から会社の仕組み等を授業で取り入れるなどが必要」(情報・通信・301~1000人)

かつての若者への非難は、未熟さによる問題行動への批判が多かったものだが、現在の就活生に対しては、行動を起こさないおとなしさに不満を感じているようだ。

■原因に挙げられる「少子化」

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