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鉄道にもようやく浸透「ポイント還元」新時代 JR東・西が来春オフピークに導入、すでに実例も

東洋経済オンライン / 2020年12月24日 6時50分

JR西日本も平日10~17時と土休日の終日、ポイント適用区間の4回目以降の利用1回ごとに、運賃の50%もしくは30%のポイントをつける「時間帯指定ポイント」を実施。また、月に同一区間を11回以上利用する場合、11回目以降1回ごとに運賃の10%のポイントをつける「利用回数ポイント」もある。

■ポイントサービスは全国各地に

交通系ICカードのポイントサービス自体は、首都圏や京阪神のような大都市圏だけでなく、地方都市にも普及している。利用に応じたポイント加算の仕組みも多様で、地方都市の場合は公共交通の利用促進に結び付けようという考えもうかがえる。

たとえば、仙台市地下鉄ではICカード「icsca」(イクスカ)を導入する際に利用回数によるポイント付与を開始。利用10回までは5%で、回数の増加に応じて最大25%となる。伊予鉄道(愛媛県)の「い~カードポイント」は、電車やバスの1カ月の利用に応じてポイントがたまり、500ポイントごとに還元される。

また、熊本県の公共交通で使用される熊本地域振興ICカード(くまモンのIC CARD)では基本ポイント(100円につき1ポイント、学生は2ポイント)に加え、1カ月の利用状況によって50~250ポイント(学生は300ポイント)のボーナスポイントがつく。

JR九州のICカード「SUGOCA」(スゴカ)は、ポイントサービスの導入自体はJR東日本やJR西日本より大幅に早く、2010年に導入した。1回の乗車につき1%、自由席特急券のスゴカでの購入には5%のポイントがつくほか、筑肥線と福岡市営地下鉄双方の乗車では一律10ポイントが還元される。

また、関西の私鉄や公営鉄道を中心とした交通系ICカードのPiTaPa(ピタパ)は、事業者によって内容は異なるものの、利用回数や利用額に応じた割引などを受けることができる。しかしピタパは、ポストペイ(後払い)ゆえ入会手続きや審査が必要というネックがあり、関西圏での交通系ICカードの覇権は手軽なプリペイドのイコカが握ることになった。

これらのポイントサービスは、あくまで利用金額や回数に応じたポイント還元を重視してきたが、ポイントの付与によってオフピーク利用を促す試みが広がろうとしている背景には、このようなサービスがすでに全国に広がっているという土壌があるだろう。

■「時間帯別」は当面ポイントで?

鉄道事業者が目指しているのは、最終的には「時間帯別運賃」の導入である。運賃の改定は国土交通省の認可が必要であり、実現には時間がかかる可能性が高いが、ポイントによる還元の場合、運賃制度には手をつける必要がなく、事業者の判断だけで実施できる。

また、各社のポイントサービスと連動することで、鉄道だけでなく自社グループの商業施設利用などに結び付けることもできる。

利用者側から見てもメリットはある。時間帯別運賃が導入された場合、実費精算の勤務先なら時間帯によって申請額を変えなければならない可能性もあるが、ポイントならその手間はなく、ポイント分の交通費を減額されることもないだろう。

時間帯別運賃は、オフピーク時の値下げとともにピーク時の値上げが検討されていることもあり、利用者から反発を招く可能性もある。利用回数に応じたポイントサービスが普及する中、当面は導入しやすく納得も得られやすい、時間帯によるポイント還元サービスが混雑の激しいエリアで広がっていくのではないだろうか。

小林 拓矢:フリーライター

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