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名将エディーが難敵に仕掛けた壮絶な"心理戦" 「やるかやらないか」それが問題だ

東洋経済オンライン / 2020年12月28日 15時30分

日本代表も目覚ましい躍進を見せた昨年のワールドカップの事例も挙げてみたい。

イングランド代表は準決勝でニュージーランド代表オールブラックスを撃破した。私たちはどんなプレッシャーを世界最強軍団に与え、予想を覆して勝利することができたのか。

1週間かけて行われたこの試合のビルドアップは、私が記者会見で見舞った先制パンチで始まった。

「皆さん、この試合でイングランド代表がニュージーランド代表に勝つと思う人は手を上げてください」

大会のクライマックスとなるこの試合前の記者会見には、世界中のジャーナリストが数多く駆けつけていた。手を上げたのはほんの数人。誰もイングランド代表が勝つなどとは思っていない。

「そのとおり。世界一のラグビーチームとして知られるオールブラックスが、こんな大事な試合で負けるはずはありません。ましてや、大会2連覇中の優勝候補が、準決勝で負けるはずはありません」

ここから私は、いかにオールブラックスがすばらしいチームであるかを徹底的に語った。根っからのラグビー人として、オールブラックスの試合は子どもの頃からいつも観ていた。私にとって憧れの存在でもある。

「オールブラックスが負けるはずがない」。月曜日の記者会見から、メディアの見出しを飾るフレーズを放つ。

翌日の記者会見では今度はオールブラックスのヘッドコーチが記者たちの質問攻めにあう。こんなことになるとは思っていなかったヘッドコーチは、何とか無難な答えを出そうと考えることになった。

日本のラグビー界や麻雀用語で使われる言葉に、“トイメン”という言葉がある。

チームスポーツや、混沌とした状況のゲームで繰り広げられる、1対1の戦い(対面から来ている)とでも言おうか。サッカーをはじめとしたさまざまなスポーツで、“デュエル”という言葉でも呼ばれている。私は選手時代もフッカーとしてスクラムの中で“トイメン”と徹底的に戦った。そしてヘッドコーチとなった今も、トイメンとは徹底的に戦う。

翌日の記者会見では、再び私が見出しを飾る言葉を発して、世界中のラグビーファンが私の言葉で騒ぎ出し、踊り出す。相手ヘッドコーチの頭に私の言葉を植え込んでいったのだ。

ちなみにこのオールブラックスのヘッドコーチとは、同業者として長くいい付き合いをしている。好敵手だからこそ徹底的な精神戦を仕掛けるが、試合が終われば笑って一緒にビールを飲めれば、それでいいと考えている。

■ハカに対して与えたプレッシャー

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