「痔薬」と「風邪薬」2020年伸びた商品はどっち? 生活スタイルが激変で、売れ筋に意外な動き

東洋経済オンライン / 2020年12月30日 11時30分

コロナ禍で日用品の商品はめまぐるしく売れ筋が変化していった(記者撮影)

新型コロナウイルスの影響で在宅時間が増えて、痔になった――?

国内でいま、ジワリと売り上げを伸ばしているのが、いぼができたり皮膚が切れたりする肛門の病気「痔」の薬だ。

市場調査会社のインテージによると、2020年1~5月の痔疾(じしつ)用剤の売り上げは前年を下回っていたが、緊急事態宣言が出されて2カ月が経過した6月から徐々に拡大。秋口に消費増税の反動減による影響があったが、その後も勢いは衰えず、1~11月の累計で前年を上回った。

小林製薬によると、インバウンド需要の激減などで多くの医薬品・家庭用品が苦戦する中でも、経口タイプの痔疾用剤「ヘモリンド」の売り上げが前年比で増加しているという。

「痔になる原因はストレスと血液循環。コロナ禍によるストレスや運動不足、在宅ワークで長時間座り続けることによって血の巡りが悪くなり、痔になったり、悪化したりする患者が多い」。平田肛門科医院の平田雅彦院長はそう指摘する。

在宅勤務の増加や、生活スタイルの変化によるストレスが原因とみられる痔患者の来院が増加し始めたのは2020年7月以降だと言い、インテージの調査で痔疾用剤の売り上げが増加し始めた時期ともほぼ一致する。

■運動不足で筋トレ、プロテインに脚光

在宅時間の増加に代表される生活スタイルの変化が、売れ行きに影響を与えた消費財はそれだけではない。

売り上げが大きく増えたものの1つがプロテインだ。インテージのデータによると、2020年1~11月における市場全体の売上高は前年同期比4割増の140億円を記録。同社が集計した「今年売れたものランキング」では8位にランクインした。

外出機会が減って運動不足になると、気になるのが「コロナ太り」。その対策として、自宅で筋力トレーニングをする人が増えていることがプロテイン需要増の背景にあるようだ。都内在住の20代女性会社員も「在宅で運動しなくなり、太ってしまった。自宅で筋トレを始めたことを機に、プロテインを飲み始めた」と話す。

その中でも、大豆を原料とし、中性脂肪や内臓脂肪の低減効果があるとされるソイプロテインが女性向けに好調だった。人気のプロテイン商品「ザバス」などを販売する明治の担当者も「ソイプロテインはダイエットに関心がある女性からの支持が高い」と話す。

在宅中に断捨離をする人が増え、需要を掴んだのが衣類用防虫剤だ。「ムシューダ」や「ネオパース」を販売するエステーは、防虫剤を含む衣類ケアセグメントの3~6月の売り上げが前年比で24.3%増加。2020年1~11月累計でも前年同期を上回った。「断捨離している最中に、防虫剤の期限切れや虫食いのある衣類を見つけたりしたことで、防虫剤を買う人が増えたのではないか」(同社広報)。

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