「ラブコメ」ドラマで圧勝するTBSの大胆な妙手 「恋つづ」「わたナギ」といったヒットを連発

東洋経済オンライン / 2021年1月6日 17時0分

TBSの「私の家政婦ナギサさん」は大きな話題を集めた(東洋経済オンライン編集部撮影)

時代のトレンドとは別に、近年一定のニーズを掴み、若い視聴者層を中心に支持されているのが「ラブコメディ(ラブコメ)」だ。2020年もTBS「恋はつづくよどこまでも」「私の家政夫ナギサさん」などが話題を集めた。なぜ今、ラブコメなのか。本誌連載でもおなじみの木村隆志氏に分析してもらった。

■ラブコメはもともと人気のジャンル

まず「ラブコメ」というジャンルに触れておきたい。Love Comedy=ラブコメは半世紀ほど前からドラマと漫画の世界で人気のジャンルであり、長年にわたって定番であり続けている。

なかでもドラマでラブコメのニーズが急増したのは、平成に突入する前後のバブル期あたり。バブルがはじけたあともその勢いは衰えず、学園ドラマ、青春群像劇、ホームドラマ、長編ミステリーなどの他ジャンルが激減していくなか、トップクラスのニーズを保っている。

時代や世相の浮き沈みに左右されず、気軽に見られることが最大の強みなのかもしれない。

「コメディ」と言うからには笑いを散りばめたラブストーリーであるはずだが、その解釈は広く、実質的には「シリアス一辺倒にならなければOK」。例えば、笑いを誘うようなシーンがほとんどなくても、明るい世界観の作品ならラブコメというジャンルに含まれる。

実際、昨秋の作品を振り返っても、「この恋あたためますか」(TBSテレビ)、「#リモラブ~普通の恋は邪道~」(日本テレビ)、「ルパンの娘」(フジテレビ)、「姉ちゃんの恋人」(関西テレビ)、「共演NG」(テレビ東京)と、その内容を思い出せば幅の広さがわかるのではないか。これら以外にも、学校、スポーツ、SF、お色気などのさまざまなものを絡められる汎用性の高さが作り手の創作意欲を高め、視聴者を楽しませてきた。

さらに特筆すべきは、その幅が今なお広がり続けていること。昨冬に放送された「恋はつづくよどこまでも」(TBS)のヒットが幅の広がりを象徴している。

正直なところ、放送前は「恋はつづくよどこまでも」がヒットするとはまったく思っていなかった。

純粋な普通の新人看護師と、Sっ気のあるイケメン医師という格差の大きい組み合わせも、詰め込まれた胸キュンシーンも、まったく目新しさを感じない女性向け漫画のド定番。事実、「壁ドン」が流行語大賞を受賞したのは2014年であり、それから6年も過ぎているだけに、「なんで今さら」と感じた人は少なくなかっただろう。

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