ポルテ/スペイド終了、一世代築いた役目の意味 好調シエンタにバトンを渡し、16年の歴史に幕

東洋経済オンライン / 2021年1月13日 10時0分

左上がポルテ、右下がスペイド。大開口スライドドアを採用したプチバンとしてファミリーユースの市場を開拓した(写真:トヨタ自動車)

トヨタのコンパクトトールワゴンである「ポルテ/スペイド」が12月で生産を終了した。2004年に誕生した初代は「ポルテ」のみの設定で、2012年のフルモデルチェンジで2代目へとリニューアル。2代目デビューのタイミングで「スペイド」を加えたが、2020年12月、両車両ともに16年の歴史に幕を閉じることとなった。

ポルテは、先に1997年に登場した「ラウム」と同様に、スライドドアを備えていることが特徴のひとつだった。しかもラウムは、4ドア車の後ろのドアをスライドドアとしたことに対し、ポルテは運転席側に通常のヒンジドアを採用しながら、助手席側のみをスライドドアとした左右非対称の2ドアハッチバック車という独創性を持っていた。この左右非対称のドアにより、助手席側のドア開口部を大きくとることができ、また低床な室内のつくりなどにより乗り降りをしやすくするなど、利便性を高めたトールワゴンであった。

■タント登場で注目度が上がったスーパーハイトワゴン

当時は、前年に誕生した軽自動車のダイハツ「タント」をきっかけに、スーパーハイトワゴンに人気が集まるようになった。登録車のコンパクトカーも室内の天井高さのあることによる車内での動きやすさと、スライドドアによって狭い場所でもドアの開け閉めに気遣うことなく利用できることがいっそう求められるようになった。

ラウムでも先にスライドドアを採用していたが、前のドアはヒンジ式であり、前後のドアでの使い勝手が異なるといった状況だった。ポルテのように助手席のドア自体がスライドドアであれば、子供の乗り降りなどに際し隣に駐車しているクルマや、塀などにドアをぶつける心配もなくなる。子育て家族にとって安心のコンパクトカーといえた。

それらの独自性が福祉車両への応用も可能にした。助手席が車外へせり出し、乗り降りを助ける装備も、ヒンジドアの開口に比べ、スライドドアのほうが間口を広く取れ、ドア自体を開ける空間を気にせずに済む。

そして2012年に2代目にフルモデルチェンジした際に、トヨタ系列のすべての販売店で扱えるように兄弟車となるスペイドが設定された。2代目では、助手席側のスライドドアはそのままに、運転席側後ろにヒンジドアの後席用ドアも設け、3ドアハッチバック車となった。これにより、後席右側に座った人が、自分で外に出られるようになる。

一方、左右でドア方式が異なるだけでなく、3ドアとなることで車体剛性の保持と、左右の剛性の調和をとるのが難しくなったが、試乗をしてみてもあまり違和感を覚えさせないように調整したクルマに仕上がっていた。このあたりは初代ポルテで左右非対称の車体設計をした経験が役立っているのだろう。

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