日本と中国の「IT化」に大差が生じた決定的要因 大成功してしまったがために重い遺産を抱えた
東洋経済オンライン / 2021年1月14日 10時0分
経済大国だった日本が、なぜ中国に追い抜かれてしまったのか?
その秘密は「リープフロッグ」にある。遅れてきた者が、先行者をカエルが跳ぶように追い越すことだ。世界の覇権争いの歴史を振り返ると、リープフロッグ=逆転勝ちの連続だったといえる。「日本が世界で躍進したのに今に繋がってない訳」(2021年1月7日配信)に続いて、『リープフロッグ 逆転勝ちの経済学』より一部を抜粋、再構成してお届けする。
■国際ランキングで、トップから34位に転落
さまざまな国際比較ランキングで、日本の地位は低下を続けています。スイスの国際経営開発研究所(IMD)の世界競争力ランキングで日本の順位をみると、ランキングの公表が開始された1989年から1992年まで、日本は1位を維持していました。その後、順位が下がったのですが、1996年までは5位以内でした。
しかし、1997年に17位となり、その後、低迷を続けました。そして、2019年では、過去最低の30位まで落ち込んだのです。ここで止まらず、2020年版では、日本は34位にまで低下しました。30年の間に、トップから34位という、大きな変化が生じたのです。
デジタル技術では、2020年に日本は62位でした。対象は63の国・地域ですから、最後から2番目ということになります。
日本がこのように凋落し、世界の中での地位を下げてきたことは、日本国内で、必ずしも明確に認識されたわけではありません。
それは、エレベーターに乗っている人の感覚のようなものです。扉が閉められて外界の様子が見えないと、下降しているにもかかわらず、室内の人々との相対的な位置は変わらないので、高度が下がっていることが認識できません。それと同じことです。先に述べたようなデータがあっても、抽象的な数字なので、あまり強い危機感を抱かなかった人が多かったのではないかと思います。
しかし、そう考えていた人々も、新型コロナウイルスへの対処でのデジタル化の遅れには、目を覚まされたと思います。日本政府はITでほとんど何もできないことが暴露されたのです。
定額給付金申請では、マイナンバーを使ったオンライン申請が可能とされました。しかし、市区町村の住民基本台帳と連携していなかったため、自治体の職員は照合のために膨大な手作業を強いられ、現場は大混乱に陥りました。その結果、100以上の自治体がオンラインの受け付けを停止し、郵便での申請を要請しました。「オンラインより郵送の方が早い」という、笑い話のような事態になったのです。
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