マンションも戸建ても「今年は値上がり」する訳 コロナによる「価格下落」が起こる気配は皆無だ

東洋経済オンライン / 2021年1月15日 13時0分

そんな折、中古の販売在庫は減りつつある。投げ売り処分されたものは、郊外・駅遠などの立地条件の悪いものが多かったために、残された在庫価格は上昇した。また、見ず知らずの人が内覧するのを敬遠する気持ちから販売を辞める物件が増えた。こうして在庫が減少しながら、在庫価格は上がった。

こうしたことは以前にも起きている。リーマンショック後、新興系のデベロッパーの多くが資金ショートして倒産した。この結果、新築マンション供給が前年の1/3に急減し、あまりの新築物件の少なさに中古マンションが売れて、在庫が減りながら値上がりを始める事態が起こる。リーマンショックから1年しか経っていないのに起こった「まさかの値上がり劇」だった。こうして、リーマンショックから2年後には元の価格に戻っていた。

 不動産価格はローンで決まると書いたが、需給バランスはこうした在庫減の時に価格に影響しやすい。在庫が減ると、価格は上がる方向に動きやすい。これが最も2021年に起こりそうな状況にあると理解した方がいい。

■新築分譲戸建も売れている

一方、戸建市場も活況を呈している。新築分譲戸建は年換算で首都圏で7万戸に迫るハイペースで売れていて、毎月在庫が1000戸ほど減り続けている状態にある。新築分譲マンションが2019年の供給戸数が3万戸強なので、既に戸数ベースで2倍の取引量が一大マーケットになっている。

 これだけ売れているものの、新築の着工戸数は4月以降前年同期比で17%マイナスとなっている。こうなると、在庫が少なくなる一方で、販売期間が短くなり、竣工前に売れる事態が増えている。一般的に売れ行きが悪く、建物が竣工してしまうと売出価格の値引きが始まるが、実質的な売買価格の上昇が既に始まっている。

ここで言えることは、住宅市場の場合、マンションでも戸建でも一定の需要が常にあるので、供給不足になると価格は上がる方向に動くということだ。都市の住宅市場において、需給バランスの影響は上がる方向にしか動かない、これが実態である。このため、不動産価格は下がることはなく、上がることしかないのである。

下がる時は不動産事業者が倒産して資産処分するしかない場合に限られる。それは金融が引き締められた時で、それは当分の間無さそうな状況にある。金融緩和されているうちは持ち家を早く買った者勝ちなのだと言うことは分かっておいた方がいい。

■コロナで住宅価格暴落の諸説は本当か?

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング