バイデン1/20就任演説で外せない7大ポイント 危機的なアメリカをどう一致団結させるのか

東洋経済オンライン / 2021年1月15日 14時0分

バイデン次期大統領は、分断から統合への機運を高めていくためにも、党派や階層、利益集団といった人で対立構造を創り出すことを回避してくることは確実だと思います。

④ ビジョン

トランプ大統領就任演説で掲げられたのは、明快な「アメリカ・ファースト」というビジョンです。トランプ政権下では、このビジョンにそってアメリカの国益が最優先される政策が展開されました。地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」や環太平洋経済連携協定(TPP)からも離脱したこともこのビジョンに沿ったものでした。

それに対して、バイデン新大統領就任演説では、やはり国際協調や統合、「分断から団結へ」が政権運営におけるビジョンとして打ち出されると考えられます。アメリカでの分断に国内外から懸念が高まっているなかで、バイデン氏がどれだけ具体的な戦略をビジョンとともに提示できるかが求められていると思います。

⑤世界観

トランプ大統領は、就任演説で「母親と子どもたちは貧困にあえぎ、国中に、さびついた工場が墓石のように散らばっている。教育は金がかかり、若く輝かしい生徒たちは知識を得られていない。そして犯罪やギャング、薬物があまりに多くの命を奪い、可能性を奪っている。このアメリカの殺戮は、今、ここで、終わります」と述べました。「アメリカの殺戮」という過激な表現を使い、超絶暗い過去から明るい未来へという世界観を提示したわけです。

一方で、バイデン新大統領就任演説で示されると予想される世界観は、必ずできるという可能性のある世界です。バイデン次期大統領は、大統領選挙勝利演説で「私は、アメリカは一語で定義することができる、と常に信じている。それは“可能性”である。アメリカでは、誰もが、自分の夢と神から与えられた能力がある限り、行き着けるところまで行く機会が与えられなければならない」と述べています。

■重要なのは団結を訴え、共感を得ること

また、リンカーン、ルーズベルト、ケネディ、オバマという4名の元大統領を挙げ、それぞれがそれぞれの変曲点で「絶望に打ち勝ち、繁栄と目的のある国を作る機会」をつかんできた、「私は、私たちが成し遂げられることを知っている」「私たちが団結したときには、成し遂げることができなかったものは何一つない」と訴えています。バイデン新大統領にとって、分断という歴史的な危機に対して必ず団結できるという可能性、その世界観を国民に示し共感を得ることは、就任演説で極めて重要になってくるものと予想されます。

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