菅首相、言い間違え連発で招いた「自滅の刃」 反転攻勢狙った会見やメディア出演が逆効果に

東洋経済オンライン / 2021年1月16日 9時30分

1月13日、記者会見する菅義偉首相(写真:AFP=時事)

1月18日からの通常国会を前に、菅義偉首相がさらなる苦境に追い込まれている。

発信力不足との批判を避けるため、記者会見やメディアへの出演を増やしているが、言い間違えや意味不明な発言を連発。「反転攻勢どころか“自滅の刃”」(自民幹部)に陥っている。

SNS上には菅首相批判があふれ、1月13日の記者会見後にはベテラン女性歌手がブログに「呂律は回らない」「滑舌は悪い」「同じ事を何度も仰る」としたうえで、「心労で倒れられるのではと危惧しております」とまで書き込んだ。

■「福岡」を「静岡」と言い間違え

菅首相は、これまで日課にしてきた朝昼晩の有識者らとの「はしご会食」を年明け早々から自粛を余儀なくされ、「相談相手を失い、情報収集もままならない状況」(政府筋)。今後の政局運営の主舞台ともなる通常国会における厳しい論戦を乗り切れるのか、与党内にも「このままでは行き倒れになりかねない」(閣僚経験者)との不安が広がる。

年末のコロナ感染急拡大に「8人ステーキ会食」を行ったり、「ガースー発言」によって国民の信頼を一気に失い、内閣支持率は急落した。年明け以降、記者会見を3回開催。テレビにも連日出演し、「懸命な失地回復」(自民若手)を図った。しかし、その際の「言葉足らずで支離滅裂な発言ぶりが、自ら墓穴を掘る結果」(閣僚経験者)となった。

象徴的だったのが、「信頼回復への転機」(政府筋)となるはずだった13日の記者会見と、それに先立つ政府のコロナ対策本部での言動だ。

すでに決まった首都4都県に、関西や中部など7府県を緊急事態宣言の対象にすることを決めた13日の同対策本部で、追加の可否が注目された福岡を静岡と言い間違える「致命的ミス」(立憲民主幹部)を犯した。

従来通り、手元のメモを棒読みした揚げ句の言い間違え。しかも、菅首相自身は間違えにまったく気づかず、国会答弁のように直ちに秘書官らが駆け寄る場面もなかった。

このため、コロナ担当の西村康稔経済再生担当相が対策本部後に記者団に「静岡ではなく福岡の間違い」と訂正。政府も「首相の誤り」を認め、首相官邸ウェブサイトに「(首相は)『静岡県』と発言しましたが、正しくは『福岡県』です」と掲載する事態となった。

■突如「国民皆保険」の見直しに言及

対策本部直後に「満を持して臨んだ」(政府筋)はずの記者会見で、コロナ対策が目詰まりしている原因とされる医療法や感染症法の改正の必要性を質されると、菅首相は突然、国民皆保険の見直しを検討するともとられかねない「意味不明の発言」(閣僚経験者)を展開した。

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