生理前の不調で「無理心中」を考えた女性の苦悩 コロナ禍のテレワーク、号泣しながら仕事した

東洋経済オンライン / 2021年1月21日 20時0分

2人目の子どもを出産した頃から急激に体調が変化したという空山さん(筆者撮影)

バイエル薬品が制作し、婦人科などで配布している冊子(『生理前 カラダの調子やココロの状態が揺らぐ方へ PMS 月経前症候群』)によると、約74%の女性が、月経前や月経中に身体や心の不調(月経随伴症状)を抱えているという。

月経随伴症状とは、月経前はPMS(生理前症候群)やPMDD(月経前不快気分障害)、月経中は月経困難症と呼ばれる症状だが、日本ではまだあまり知られていない印象だ。

しかし、月経前に精神状態や体調が変化することに気付き、悩んでいる女性は少なくない。

実際にPMSやPMDDに苦しむ女性の事例を紹介することで、PMSやPMDDについての理解を社会に広められたらと思う。

■突然キレて物に当たる妻

「臭い! 食事をする前に足を洗ってきて!」

空山桃華さん(仮名、40代)は、仕事から帰宅した夫の足がひどく臭うため、何度も注意した。すると夫はクローゼットの引き出しを蹴とばし、引き出しはバラバラに。

それを見た空山さんはカッとなり、作ったばかりの熱々の鍋をシンクに投げつける。土鍋が割れ、具材が飛び散った。

大きな音で、おんぶで眠っていた娘は火がついたように泣き出し、息子も泣きそうになりながら、「パパのためにもう一度お鍋を作って!」と訴えた。

空山さんは子どもたちを寝かしつけ、少し気持ちが落ち着いてきたため、残りの野菜と別の鍋で再び鍋を作り、就寝。

翌朝、空山さんは澄み切った青空のように爽快な気持ちで目覚めた。月経が始まったのだ。

「生理前に夫とケンカになることはしょっちゅうです。きっかけはいつも些細なこと。夫は相当なことがないと物に当たったりしない人ですが、私は生理前になると、ストレス耐性がいつもよりかなり低くなるため、突然キレて物に当たります。そのため、わが家には至るところに、『反抗期の男子でもいるのか?』というくらい、ボコボコと穴が開いています」

空山さんは、高校生の頃から月経痛に悩まされてきた。市販の鎮痛剤でやり過ごしてきたが、だんだん服用回数が増えてきたことから、25歳の頃に婦人科にかかると、婦人科医はピルを処方。服用し始めたところ、ものすごい吐き気に襲われた。吐くものがないのに止まらない吐き気に、「死ぬほど苦しかった」と空山さんは振り返る。

それでも空山さんは、「生理痛を何とかしたい」という一心で耐え、3カ月を過ぎた頃やっと楽になった。

その後空山さんは、同い年の夫と20代で結婚。1年後に長男を出産。

×


この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング