iDeCoを放置する人が知らない「手数料」の恐怖 転職などで企業型から移管するときは要注意

東洋経済オンライン / 2021年1月24日 7時40分

会社を辞めるとき、企業型確定拠出年金に加入していた人はそれを手元に移す手続きをしなければならない。だが、その後、ほったらかしにすると……?(写真:C-geo /PIXTA)

「老後のためにお金を準備したいです」

相談に来られたのは48歳の陽子さん。筆者はファイナンシャルプランナーとして、ライフプランについてご相談を受けることが多いのですが、陽子さんは「子どもが大学生になって教育費のメドがついたので、自分の老後について考えたい」と言います。

陽子さんは老後のための資産形成をスタートされていました。ただ、残念なことに、自分ではそのことに気づいておらず、資産は大きく目減りしていたのです。

■iDeCoを始めた自覚すらない「48歳の女性マネジャー」

陽子さんがすでにスタートしていた老後資金形成はiDeCo(個人型確定拠出年金)です。10年前、転職をきっかけにiDeCoを始めました。転職前の会社で企業型確定拠出年金に加入していたので、退職したときに企業型から個人型に資産を移換。

iDeCoの口座を開設したものの、積み立てはしておらず、今まで積み立てたお金を運用するだけの運用指図者となっていました。といっても、商品は元本確保型の定期預金を選択していたので、とくに何かをするわけでもなく、単にお金を預けているだけという状態です。

転職先の会社では即戦力として期待されていたため、仕事に邁進しました。マネジャー職で海外出張が多く、忙しい状況が続いてきたので、iDeCoのことを気にする暇はありませんでしたが、「コロナ禍で海外出張がなくなって時間ができ、教育費のゴールも見えてきた今、自分の老後を考えようと思い立った」と言います。でも、突然、こんな不思議な質問をされたのです。

「iDeCoに興味があるのですが、今から始めても遅くないですか?」

陽子さんはすでにiDeCoをしているのに、書類には「個人型確定拠出年金」と書かれてあって、iDeCoと個人型確定拠出年金が同じものであるという認識がありませんでした。そのため、「まだ老後対策を何もしていない」とすら思い込んでいたのです。

陽子さんに限らず、転職を機に企業型からiDeCoに資産を移換したものの、放置している人は珍しくありません。転職したばかりで仕事に慣れないうえ、iDeCoをどう扱えばよいのかわからないのです。定期的に取引状況のお知らせが届くので口座の存在自体は知っています。そんなふうに放置している人は、こう口をそろえます。

「年々、資産が減っているように感じます」

取引状況のお知らせには資産額や運用状況等の記載があり、陽子さんの評価損益を見てみると「マイナス5万円」になっています。確かに資産額が減っていました。「減っているように感じます」というのは正しく、放置し続けると、さらに損失は大きくなりそうです。

■気にしていなかった「さほど大きくない月額費用」

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