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スーチー氏拘束、跋扈するアジアの「権威主義」 米バイデン政権の外交政策が試されている

東洋経済オンライン / 2021年2月4日 11時30分

そもそもトランプ氏には東南アジアに対する関心もなければ、見識もなかった。ASEANと域外の主要国の首脳が一堂に会する東アジアサミットには4回連続で欠席し、閣僚ですらない補佐官を出席させてアジア各国の指導者を大いにしらけさせた。トランプ氏がASEAN地域を引き合いに出すのは中国との対立や北朝鮮との対話の場面に限られていた。

アメリカにとって、ASEAN地域は経済的にも、対中国の文脈でも重要さを増す地域である。バイデン政権もそこは理解しているはずだが、それでもイスラエルに傾きすぎた中東政策やイランとの核合意、EUとの関係修復などの外交課題が山積している。どこまで東南アジアに関心が向くかは不透明だ。

逆に東南アジア諸国にとってアメリカは、傲慢さを増す中国に対抗するカードとして必要な存在である。しかし、地域を超大国のぶつかり合いの場にしてほしくはないし、米中のどちらを選ぶのか、踏み絵を踏まされてはたまらない。とりあえずバイデン政権が中国とどのような形で対峙するのか、民主化や人権問題でどういった対応をとるのかを凝視している。

バイデン政権の対応によっては、日本の立ち位置も変わってくるだろう。中でもミャンマーの軍事政権とどのように向き合うかは日本にとっても喫緊の課題だ。日本は民主化以前から巨額の援助をつぎ込んできた。中国の「一帯一路」政策にとっても、日本のFOIPにとっても東南アジアは戦略的要衝である。

ただ、コロナ対策に追われる菅政権にどこまで自律的な対応能力があるか、残念ながら疑問である。

柴田 直治:近畿大学教授

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