アメリカに建つ「バベルの塔」が崩壊するとき 今の現象を「バブル」と呼ぶのはふさわしくない

東洋経済オンライン / 2021年2月18日 7時50分

国立感染症研究所を訪問したバイデン大統領。「時間的な余裕」はかなり少ない(写真:ロイター/アフロ)

早いもので、アメリカの大統領選挙(昨年11月3日)から3カ月以上が過ぎた。バイデン政権も大統領令の数の多さを批判されながらも、何とか走り出している。

この政権の構成をみると、当初から大統領令が多く発令されているのは仕方がないことだ。そもそも大統領選挙はジョー・バイデン氏の魅力で勝ったわけではない。「反トランプ勢」が結集してできた政権である。よって、恩恵に預かれず人事の初期段階からすでに多くの不満が生じていたと言える。

結局のところ、閣僚には「極左」やそれに近い人物の登用はほとんどなかった。バイデン大統領のまわりは旬を過ぎ「ディスカウント化」されたグローバルエリートばかりだ。メディア向けにトランジェンダーの女性(レイチェル・レヴィン氏)が保険福祉省健康局の次官補に抜擢されたが、どうでもよいほど軽すぎるポストだ。不満を持った極左勢力をなだめるために、バイデン大統領は早めに大統領令を乱発せねばならなかったのだ。

■メディアは「トランプ氏駆逐のための装置」と化した

ここで、やや旧聞になるが、今後のことを考えるためにも大統領選挙をいまいちど少し振り返ってみよう。昨年9月の「『11月3日トランプ圧勝』で始まる米国の大混乱」でも示唆したように、最後は「アンダーグラウンドの執行力」が勝敗を分けた。

だが負けたドナルド・トランプ前大統領の陣営からすれば、「アンダーグラウンドの執行力」とは不正のことをいう。もちろん彼らは抵抗した。今も「真実はどこにあったのか」という陣営の怒りは、消えていない。だが「真実とは、正しい人間が正しい立場に復権することである」という、エリートの断固たる意志の前に敗れ去った。これがこの大統領選の究極の本質だった。

その「手段」となった主要メデイアは、もはやジャーナリズムといえるようなものではなかった。彼らは、トランプ氏を駆逐するための「単なる装置」と化し、結果として47%もの得票率を得たトランプ支持者を削ぎ落とし、そのサンプルをもって「根拠のない、低い支持率」を喧伝し続けた。それは、選挙が終わった後もまったく変わっていない。バイデン陣営はトランプ陣営の抵抗やクレームのすべてをシャットアウト、今年に入ってからは、エリートによる強権発動は一段と加速、トランプ氏協力者へのパージが始まった。

例えば、 議会でトランプ氏の援護をしたジョシュ・フォーリー上院議員は、予定していた出版がキャンセルとなった。またトランプ氏の弁護を担当したルドルフ・ジュリアーニ元NY市長とFOXテレビで選挙の不正を訴えたマリア・バーティロモ氏には、投票機メーカーのドミニオン・ボーディング・システムズ社が、名誉毀損などで巨額の損害賠償訴訟を起こしている。

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