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初期投資40万円でも成功したラーメン屋の秘密 設備はカセットコンロと家庭用IHヒーターのみ

東洋経済オンライン / 2021年2月23日 12時0分

このとき松井さんを誘ったのが、「難民社長」こと久木田郁哉さんです。超低コストの店舗開業ノウハウを持つ久木田さんが新たにつくる店を任され、スマホショップ店員からラーメン店店長へと転身するプランに、松井さんは迷わず飛びつきます。

「とにかく金がかかるらしい」と視野にも入れなかったラーメン店経営ができる想定外のチャンスに賭けたわけですが、同時に「まだ24だし、30歳までの失敗はどうってことない」という冷静な読みもあったと松井さんは振り返ります。

いずれ同じ失敗をするのなら、傷が浅くてすむ若いうちのほうがいい。こうしたプラグマティック(実際的)な精神は、しょぼい起業を目指すすべての人が共有すべきものでしょう。

■しょぼい設備で、しょぼくない味を出す工夫

独自の探索テクニックを駆使して探しあてた川西麺業の店舗物件に、松井さんが月々支払っているのは「4万円弱」。周辺相場から考えても破格の安さです(ただしエアコンがなく、6万円かけて新規設置しています)。

およそ3坪の店舗の上には、物置同然の2階もあります。しょぼい起業の理念に忠実な松井さんは当初、そこで寝泊まりして生活費を抑えることも検討したそうですが、シャワーも使えない住環境はさすがにどうかと考え直し、別に借りたアパートから通っています。それでも店の家賃がとにかく激安なので、「店に住む」というギリギリのスタートを切らなくても十分やってこられたと言います。

「初期費用40万円」というしょぼい起業だけに、普通のラーメン店開業と勝手が違うポイントは、数えればキリがありません。ラーメンにかける人一倍の熱意を原動力に、松井さんは久木田さんの知恵も借りつつ、さまざまな工夫を凝らしてきました。

わかりやすい例が、ラーメンスープです。設備の都合上、素材を何十時間と煮込むスープは出せない中で独自のうまさを開拓しようと「スパイス」を積極的に使うことにし、1カ月余りの開業準備期間に久木田さんと意見を交わしながら、何十回となく試作を繰り返しました。

完成した「ほんのりカレー風味が香る」ラーメンは、川西麺業ならではのユニークさをしっかり備えていますが、さらに「優しい味の中にもインパクトを持たせ、近隣のチェーン店の濃い味付けに飽きた客を誘う」という競合対策も織り込んでいるとのことです。

採算面では「月家賃10万円以下の小規模飲食店は、赤字経営するほうが難しい」というのがしょぼい起業界の定説であり、川西麺業はこの条件を余裕でクリアしています。

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