少し改善?IC乗車券「エリアまたぎ」の不自由 ダイヤ改正で境界駅までと定期券は利用可能に

東洋経済オンライン / 2021年2月24日 7時10分

JR東海と東日本、西日本のエリアをまたぐ場合には利用できない交通系ICカードだが、3月ダイヤ改正で一部改善される(写真:tkc-taka/PIXTA)

全国各地に利用可能エリアが広がったJR各社の交通系ICカード。だが、隣接する駅でどちらもICカードが利用可能エリアなのに、両駅間の行き来に利用できない場合がある。エリアをまたぐ場合だ。

例えば東海道線の場合、JR東日本のSuica(スイカ)エリアである東京から熱海まではICカードで乗車できるが、JR東海のTOICA(トイカ)エリアである隣の函南からは、西側へ向かう人しか利用できない。つまり、函南―熱海間はICカードで乗車できない。JR東海とJR西日本の境目も同じだ。米原から東がJR東海、西がJR西日本のエリアだが、JR東海のトイカエリアは米原の隣、醒ケ井まで。同駅ICカードを利用できるのは、東側の名古屋方面に行く場合のみだ。

■境界駅まで利用可能に

3月のダイヤ改正で、この状況が改善される。

国府津や熱海ではスイカエリア(JR東日本)内の利用者だけではなく、トイカエリア(JR東海)からも利用できるようになる。米原もJR西日本のICOCA(イコカ)エリアだけでなく、トイカエリアからの利用者も使えるようになる。これまでできなかった「隣の駅」までのICカード利用が可能になるのだ。

これと同時に、スイカエリアとトイカエリアをまたぐ定期券や、トイカエリアとイコカエリアをまたぐ定期券が発売可能になる。例えば沼津から小田原までの定期券や、彦根から大垣までといった定期券がICカードで発行できるようになる。また、関西本線でのイコカ利用エリアが拡大され、トイカエリアの亀山まで乗車が可能になる。

これらの区間は、これまでは磁気式定期券での発行だった。醒ヶ井や近江長岡から米原・彦根方面に通う人には、なぜこの辺りだけ磁気式の定期券、と思っていた人もいるのではないだろうか。

JR東海によると、会社間をまたぐICカード定期券の発行については、地元の通勤・通学で定期券を利用する乗客から要望を受けていたという。

今回ICカードでの発行が可能になるのは、運賃計算キロが300km以内の定期券だ。発行するのはカード型だけで、「モバイルスイカ」での発売はない。また、各エリアをまたぎ、かつ定期券区間外を利用した場合は自動改札機は使用できず、精算が必要となる。

これまでも要望があったという会社間をまたいだICカード定期券。なぜ今まで発売されなかったのだろうか。

JR東海によると、そもそもICカードは都市圏のスムーズな移動を可能にするもので、機器やシステムの限られた能力の中で運賃計算を効率的に行うために、利用の多い範囲にサービスを限定しているものだという。今回の改善については、利便性向上のため現時点においてJR3社で実現できることを共同歩調で実施したと説明する。

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